セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

膵臓-WON治療

タイトル 内P-741:

壊死性膵炎後のWalled-off necrosis(WON)に対する専用Full-covered self-expandable metallic stent(FCSEMS)を用いた内視鏡的ネクロゼクトミーの経験

演者 山本 夏代(東京大・消化器内科)
共同演者 伊佐山 浩通(東京大・消化器内科), 川畑 修平(東京大・消化器内科), 斎藤 友隆(東京大・消化器内科), 渡邉 健雄(東京大・消化器内科), 内野 里枝(東京大・消化器内科), 濱田 毅(東京大・消化器内科), 宮林 弘至(東京大・消化器内科), 水野 卓(東京大・消化器内科), 木暮 宏史(東京大附属病院・光学医療診療部), 佐々木 隆(東京大・消化器内科), 平野 賢二(東京大・消化器内科), 多田 稔(東京大・消化器内科), 小池 和彦(東京大・消化器内科)
抄録 【背景】WONに対する内視鏡的な経消化管的ドレナージやネクロゼクトミー(Endoscopic Necrosectomy:EN)の有用性が報告されている.当科では自主臨床試験として専用のFCSEMSを用いた経消化管的ドレナージ及びENを施行しているので,その経験を報告する.
【方法】2013年2月までに当科にて,WONと診断され,FCSEMS留置の上ENを施行した5例.Nagi stent(長さ3cm, 口径16mm, Taewoong medical社)は内視鏡下に留置可能な嚢胞ドレナージ専用のFCSEMSである.大口径のため内腔を通して通常径の内視鏡の挿入が可能であり,プラスティックステントによるドレナージと異なり,抜去せずにENを繰り返し施行できる利点がある.EUSガイド下で経胃的に嚢胞を穿刺,通電ダイレーターおよびバルーンで瘻孔拡張を行った後,透視および内視鏡画面下にステントを展開した.ステントを介して直視鏡を嚢胞内に挿入して洗浄,壊死物質の剥離・除去を施行した.改善後は内視鏡下に抜去した.
【結果】症例は年齢50.2(29-68)歳.嚢胞の最大径は14.0(9.9-21)cmで,平均のEN回数およびドレナージからEN終了までの期間はそれぞれ4.3(1-9)回,20(6-47)日であった.内視鏡の嚢胞腔内への挿入は全例で成功し,経過中に追加の瘻孔拡張を必要とする症例は見られなかった.1例に出血を認めたが,出血点はステントの留置部とは離れていた.経過中の自然逸脱はなく,試みた全例でステントは抜去可能であった.
【結論】少数例の検討ではあるが,専用のFCSEMSは安全でEN施行に際し,WON内腔への内視鏡挿入,及び瘻孔の維持に有効であると考えられた.
索引用語 感染性膵壊死, 内視鏡的ネクロゼクトミー