共同演者 |
安田 一朗(岐阜大・1内科), 丸田 明範(岐阜県総合医療センター・消化器内科), 馬淵 正敏(岐阜大・1内科), 上村 真也(岐阜大・1内科), 中島 賢憲(岐阜市民病院・消化器内科), 山内 貴裕(岐阜県総合医療センター・消化器内科), 土井 晋平(岐阜大・1内科), 岩下 拓司(岐阜大・1内科), 安藤 暢洋(岐阜県総合医療センター・消化器内科), 向井 強(岐阜市民病院・消化器内科), 杉原 潤一(岐阜県総合医療センター・消化器内科), 冨田 栄一(岐阜市民病院・消化器内科), 森脇 久隆(岐阜大・1内科) |
抄録 |
【背景】pancreatic/peripancreatic fluid collection:PFCは,成因や性状により治療法や治療難易度が異なる.【目的】PFCに対する経消化管的内視鏡治療の有効性を病態別に評価する.【方法】2001年5月~2013年1月における当施設でのPFCの治療成績・予後をretrospectiveに調査した.急性膵炎に伴うPFCは改訂Atlanta分類に準じてpancreatic pseudocyst (PC),walled-off necrosis (WON)に分類,慢性膵炎に伴う仮性嚢胞はPC,術後・外傷後膵液瘻は壊死の有無でPC/WONに分類.【結果】該当48例.年齢 26~86歳(中央値61歳),男39例/女9例.治療理由は腹痛・発熱46例,黄疸1例,急速な嚢胞増大1例.PFCの内訳:無菌PC(PC-S) 17例,感染PC(PC-I) 21例,WON10例(全例感染).成因:急性膵炎27例(アルコール性17例/特発性7例/ERCP後2例/胆石性1例),慢性膵炎5例(アルコール性2例/特発性3例),術後13例,外傷性2例,不明1例.急性膵炎発症から治療までの日数(中央値)42日.治療成績:手技成功46例(96%),44例(96%)が治癒.嚢胞内出血による手術1例(PC-I),内視鏡的necrosectomy(EN)効果不十分による手術1例(WON).手技内訳:外瘻のみはPC-S 9/17例(53%)PC-I 5/19例(26%),残る32例は全て内外瘻施行(初回内外瘻18例).WON 10例は全例初回内外瘻+後日EN施行.最終治療成功率:PC-S 100%(17/17例),PC-I 86%(18/21例),WOPN 90%(9/10例).成功例の入院期間中央値PC-S 27日/ PC-I 23日/ WON 56日.外瘻のみで治癒はPC-S 9/17例(53%),PC-I 4/21例(19%)(P=0.04).偶発症:瘻孔拡張時出血1例(PC-S),嚢胞内出血1例(PC-I),穿孔性腹膜炎1例(WON).経過観察期間中央値15ヶ月で再発はPC-S 3例/ PC-I 2例/ WON 0例(全てアルコール性).【結論】PCの治療成績は良好で,感染のない場合は外瘻のみでも治癒する事が多い.WONもENにより高い治療成功率が期待できる. |