セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

膵臓-WON治療

タイトル 内P-743:

膵/膵周囲の液体貯留に対する経消化管的内視鏡治療

演者 岩田 圭介(岐阜県総合医療センター・消化器内科)
共同演者 安田 一朗(岐阜大・1内科), 丸田 明範(岐阜県総合医療センター・消化器内科), 馬淵 正敏(岐阜大・1内科), 上村 真也(岐阜大・1内科), 中島 賢憲(岐阜市民病院・消化器内科), 山内 貴裕(岐阜県総合医療センター・消化器内科), 土井 晋平(岐阜大・1内科), 岩下 拓司(岐阜大・1内科), 安藤 暢洋(岐阜県総合医療センター・消化器内科), 向井 強(岐阜市民病院・消化器内科), 杉原 潤一(岐阜県総合医療センター・消化器内科), 冨田 栄一(岐阜市民病院・消化器内科), 森脇 久隆(岐阜大・1内科)
抄録 【背景】pancreatic/peripancreatic fluid collection:PFCは,成因や性状により治療法や治療難易度が異なる.【目的】PFCに対する経消化管的内視鏡治療の有効性を病態別に評価する.【方法】2001年5月~2013年1月における当施設でのPFCの治療成績・予後をretrospectiveに調査した.急性膵炎に伴うPFCは改訂Atlanta分類に準じてpancreatic pseudocyst (PC),walled-off necrosis (WON)に分類,慢性膵炎に伴う仮性嚢胞はPC,術後・外傷後膵液瘻は壊死の有無でPC/WONに分類.【結果】該当48例.年齢 26~86歳(中央値61歳),男39例/女9例.治療理由は腹痛・発熱46例,黄疸1例,急速な嚢胞増大1例.PFCの内訳:無菌PC(PC-S) 17例,感染PC(PC-I) 21例,WON10例(全例感染).成因:急性膵炎27例(アルコール性17例/特発性7例/ERCP後2例/胆石性1例),慢性膵炎5例(アルコール性2例/特発性3例),術後13例,外傷性2例,不明1例.急性膵炎発症から治療までの日数(中央値)42日.治療成績:手技成功46例(96%),44例(96%)が治癒.嚢胞内出血による手術1例(PC-I),内視鏡的necrosectomy(EN)効果不十分による手術1例(WON).手技内訳:外瘻のみはPC-S 9/17例(53%)PC-I 5/19例(26%),残る32例は全て内外瘻施行(初回内外瘻18例).WON 10例は全例初回内外瘻+後日EN施行.最終治療成功率:PC-S 100%(17/17例),PC-I 86%(18/21例),WOPN 90%(9/10例).成功例の入院期間中央値PC-S 27日/ PC-I 23日/ WON 56日.外瘻のみで治癒はPC-S 9/17例(53%),PC-I 4/21例(19%)(P=0.04).偶発症:瘻孔拡張時出血1例(PC-S),嚢胞内出血1例(PC-I),穿孔性腹膜炎1例(WON).経過観察期間中央値15ヶ月で再発はPC-S 3例/ PC-I 2例/ WON 0例(全てアルコール性).【結論】PCの治療成績は良好で,感染のない場合は外瘻のみでも治癒する事が多い.WONもENにより高い治療成功率が期待できる.
索引用語 膵/膵周囲の液体貯留, 経消化管的内視鏡治療