セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

ERCP胆管挿管法2

タイトル 内P-750:

当院における選択的胆管挿管困難症例に対するERCP関連手技の検討

演者 野尻 圭一郎(三重大附属病院・消化器・肝臓内科)
共同演者 井上 宏之(三重大附属病院・消化器・肝臓内科), 稲垣 悠二(三重大附属病院・消化器・肝臓内科), 為田 雅彦(三重大附属病院・消化器・肝臓内科), 山田 玲子(三重大附属病院・消化器・肝臓内科), 二宮 克仁(三重大附属病院・消化器・肝臓内科), 田野 俊介(三重大附属病院・消化器・肝臓内科), 葛原 正樹(三重大附属病院・消化器・肝臓内科), 濱田 康彦(三重大附属病院・消化器・肝臓内科), 堀木 紀行(三重大附属病院・消化器・肝臓内科), 竹井 謙之(三重大附属病院・消化器・肝臓内科)
抄録 背景:当院では選択的胆管挿管の第一選択としてWire-guided cannulationを用いている.胆管挿管困難例では膵管ガイドワイヤー(P-GW)法を行い,それでも胆管挿管困難であれば主に膵管口からのプレカット法にて対処している.また症例に応じERCP後膵炎(PEP)予防の為,自然脱落型膵管ステントを留置している.目的:当院における胆管挿管困難例に対する挿管方法と偶発症について検討する.方法:2010年1月から2013年3月までに当科で施行したERCP関連手技934症例の内,胆管挿入が困難であった89症例(男性50人,女性39人:平均年齢69歳)を対象に,P-GW法やプレカット法による胆管挿管率やPEP等の偶発症に関してretrospectiveに検討した.膵炎の重症度はcottonらの分類に従った.結果:胆管挿管困難の原因として,術後腸管症例が13例(Billroth-I法3例,Billroth-II法3例,肝移植3例,Roux-en Y1例,その他3例),傍乳頭憩室の症例は11例であった.胆管挿管困難例全体の挿管成功率は93.3%(83/89例)であり,46例がP-GW法で胆管挿管に成功した(46/88例:52.3%).P-GW法で挿管困難であった42例はプレカット法へ移行し,39例が胆管挿管に成功した.また,プレカット法のみを行った症例は1例認めるも挿管不可であった(39/43例:90.7%).偶発症は25例(28%)認め,内訳は膵炎20例(22.5%:軽症10例,中等症8例,重症2例),穿孔1例(1.1%),出血1例(1.1%),胆管損傷1例(1.1%),膵管損傷2例(2.2%)であったが死亡例はなかった.P-GW法を行った症例群の膵炎発症は8/46例(17.4%)に対してプレカット法は12/43例(27.9%)で両群間に有意差はなかった.また,各群間の膵管ステント有無による膵炎発症については有意差を認めなかったが,重症膵炎を来した症例はいずれも膵管ステントなしの症例であった.結論:P-GW法困難例に対してはプレカット法が有用であり,PEPの重症化予防には膵管ステント留置が望ましいと考えられた.
索引用語 プレカット, PEP