セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)ERCP後膵炎 |
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タイトル | 内P-760:当科における内視鏡的切石術における膵管ステント留置術の現状と有用性の検討 |
演者 | 井上 浩一(大阪府立急性期・総合医療センター) |
共同演者 | 西山 範(大阪府立急性期・総合医療センター), 阿部 友太朗(大阪府立急性期・総合医療センター), 井上 貴功(大阪府立急性期・総合医療センター), 大西 幸作(大阪府立急性期・総合医療センター), 岩谷 修子(大阪府立急性期・総合医療センター), 野崎 泰俊(大阪府立急性期・総合医療センター), 田畑 優貴(大阪府立急性期・総合医療センター), 澁川 成弘(大阪府立急性期・総合医療センター), 石井 修二(大阪府立急性期・総合医療センター), 葛下 典由(大阪府立急性期・総合医療センター), 春名 能通(大阪府立急性期・総合医療センター), 井上 敦雄(大阪府立急性期・総合医療センター) |
抄録 | 【背景】近年膵管ステント留置術がERCP後膵炎(PEP)予防の有用性を報告されている.しかしその成績,適応については見解の一致をみない.【目的】当科における総胆管結石初回治療症例の膵管ステント挿入術の現状,有用性を明らかにする.【方法】当科での初回総胆管結石症例における膵管ステント留置術をretorospectiveに検討した.対象は総胆管結石砕石術または採石術を行った2009年4月から2013年2月までの計260例のうち,膵管ステント留置群(S群):39例(男性13例,女性26例,平均年齢71.5歳),膵管ステント非留置群(N群):221例(男性117例,女性94例,平均年齢72.6歳)に分け,(1)膵管ステント留置理由,(2)施行前,術翌日の血清Amylase値,(3)ERCP後膵炎の発症率につき検討した.胆管挿管はWire guided cannulation法を基本とし,乳頭処置は原則ESTとした.膵管ステントはCook社製Geenen型膵管ステント(5Fr5cm,3cm両端フラップ付)とした.【結果】(1)膵管ステント留置理由は挿入困難例:18例,Precut例6例,胆石性膵炎合併例:6例であった.(2)術前後Amylase平均値の推移はS群:330.1IU/l→409.5IU/l,N群:232.6IU/l→266.2IU/l,(3)PEP発症率はS群:5.4%(計2例(軽症2例)),N群:5.0%(計11例(軽症5例,中等症6例))であった.膵管ステント留置に伴う合併症は特に認めなかった.【考察】S群とN群の比較では,PEP予防に有意な差を見出すことはできなかった.しかし膵炎の重症度はS群で重症度は低く,膵炎の重症化を防ぐ可能性が示唆された.また膵管ステント留置例は胆管選択困難例が多く,膵炎発症リスクが高い症例であったが膵炎はいずれも軽症であった.今後は十分な検討を行うためにprospective analysisが必要であると考えられる.【結語】当科で経験した膵管ステントの現状と有用性について報告する. |
索引用語 | 膵管ステント, ERCP後膵炎 |