セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)ERCP後膵炎 |
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タイトル | 内P-761:ERCP後膵炎に対する非ステロイド系消炎鎮痛剤静脈投与の予防効果 |
演者 | 小林 駿(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科) |
共同演者 | 杉田 馨里奈(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 横田 崇(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 太田 壮一郎(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 大城 周(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 大西 雅彦(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 西山 竜(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 赤井 祐一(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 大谷 豪(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 中島 典子(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 田中 直英(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 森山 光彦(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科) |
抄録 | 【背景】近年,非ステロイド系消炎鎮痛剤(Nsaids)の経肛門投与がPEPの発症予防に有効であるとの無作為比較試験およびメタ解析が報告されているが本邦での通常使用量より高用量である.経口と比較し経肛門投与がより有効との報告もみられ早期の薬理作用の発現がPEP予防に有効であることが示唆される.【目的】今回より薬理的速効性が期待される経静脈経路でNsaids(フルルビプロフェンアキセチル:ロピオン;50mg/body)の投与を検査開始時より15分かけて点滴投与し,NsaidsのPEP発症予防効果を検討し,その他のPEP発症に関与する因子についても解析を行った.【方法】2011年8月以降に当院においてERCPを施行した症例を検討した.無作為にNsaids投与および非投与を分類した.検討除外基準は急性膵炎既往例およびPEP低リスク群である慢性膵炎,膵頭部腫瘍,胆管ステントの定期交換の症例とした.検討症例としてNsaids投与群75例と非投与群202例を対象とした.平均年齢はNsaids投与群71.9歳,非投与群70.7歳,男女比はNsaids投与群45:30,非投与群120:82であった.【成績】Nsaidsの経静脈投与による有害事象は特に認めなかった.Nsaids投与群ではPEP発症3例(4.0%)で,いずれも軽症であった.非投与群ではPEP発症15例(7.4%)で中等症3例(Cotton分類)を認めた.また術前の3倍以上の検査後の最大血中アミラーゼ値で定義した高アミラーゼ血症で比較すると,Nsaids投与群では6例(8.0%),非投与群で42例(20.8%)に高アミラーゼ血症を認めた.【結論】Nsaidsの経静脈投与により,PEP発症が減少する可能性があり,Nsaidsが有する抗炎症作用がERCP後の高アミラーゼ血症発症に関与していることが示唆された.PEP予防を目的とした,フルルビプロフェンアキセチルの経静脈投与は簡便で安価であり,かつ安全な方法であると考えられた. |
索引用語 | ERCP後膵炎, Nsaids |