セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)ERCP後膵炎 |
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タイトル | 内P-762:内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)における膵炎合併予防目的としたジクロフェナクナトリウム直腸内投与量の検討 |
演者 | 良原 丈夫(済生会千里病院・消化器内科) |
共同演者 | 真田 徹(済生会千里病院・消化器内科), 山口 大輔(済生会千里病院・消化器内科), 東 忠里(済生会千里病院・消化器内科), 大田 真紀代(済生会千里病院・消化器内科), 水野 龍義(済生会千里病院・消化器内科), 後藤 靖和(済生会千里病院・消化器内科), 奥田 偉秀(済生会千里病院・消化器内科), 堀本 雅祥(済生会千里病院・消化器内科), 鈴木 都男(済生会千里病院・消化器内科) |
抄録 | 【目的】ERCPにおける重大な合併症の一つにERCP後膵炎がある.海外ではジクロフェナクナトリウム100mgの直腸内投与によりERCP後膵炎の発症率を低下させるという報告があり,本邦でもその投与効果については認められつつあるが,日本人の体格における至適投与量については未だ明らかでない.当院におけるERCPでのジクロフェナクナトリウム直腸内投与量によるERCP後膵炎の予防効果についてレトロスペクティブに検討した.【方法】対象は2012年4月から2013年3月までの期間に当院でERCPを施行した全240例のうち,施行前に膵炎を発症していた14例を除く226例である.主治医により処置直後にERCP後膵炎の発症リスクが高いと判断した患者に対してジクロフェナクナトリウム25mgまたは50mgを直腸内投与した.術後は全症例に対して蛋白分解酵素阻害薬・抗生物質が投与され,術翌日にP型アミラーゼの測定を行い,正常上限3倍以上の症例をERCP後膵炎と診断した.【成績】ジクロフェナクナトリウム25mg投与群におけるERCP後膵炎発症率は19例/38例(50.0%)であり,50mg投与群では 11例/42例(26.2%)と25mg投与群において有意に膵炎の発症率が高かった(p=0.038).【結論】 本邦におけるERCP後膵炎発症予防として,ジクロフェナクナトリウム投与量は25mgでは不十分であり,背景因子に問題がなければ50mgが妥当である可能性が示唆された.今後プロスペクティブ試験を行って至適用量について検討する必要がある. |
索引用語 | ERCP後膵炎, ジクロフェナク |