セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

ERCP麻酔

タイトル 内P-763:

ドロペリドール,フェンタニル,ケタミンを組み合わせた静脈麻酔によるERCP鎮静法の検討

演者 進藤 浩子(山梨大附属病院・消化器内科(1内科))
共同演者 深澤 光晴(山梨大附属病院・消化器内科(1内科)), 高野 伸一(山梨大附属病院・消化器内科(1内科)), 門倉 信(山梨大附属病院・消化器内科(1内科)), 高橋 英(山梨大附属病院・消化器内科(1内科)), 横田 雄大(山梨大附属病院・消化器内科(1内科)), 佐藤 公(山梨大附属病院・消化器内科(1内科)), 榎本 信幸(山梨大附属病院・消化器内科(1内科))
抄録 【目的】ERCPの際には一般にミダゾラムとペンタゾシン(従来法)による鎮静法が用いられているが,奇異反応による体動で処置の継続が困難となる症例が存在する.新たな鎮静法として術後疼痛や侵襲的処置時の疼痛緩和としての有効性が報告されている静脈麻酔薬DFK(ドロペリドール,フェンタニル,ケタミン)を用いたERCP鎮静法の安全性と有効性を検討した.【方法】ERCPを施行した症例のうち,術中に鎮静の評価を行った48例 [従来法群 39例,DFK群 9例] を対象とした.従来法群ではミダゾラム3mg+ペンタゾシン15mgで導入し,検査中の鎮静効果を見ながら適宜追加した.DFKカクテルはフェンタニル 20μg/ml+ドロレプタン100μg/ml+ケタラール2μg/mlになるよう調整し,麻酔科医が立会いのもとで施行した.ミダゾラム1mgとDFKボーラス1mlで導入,以後はDFK 12ml/hを維持量とし,必要時に適宜ボーラス1ml投与を行った.血圧,脈拍,呼吸数,酸素飽和度を経時的にモニタリングした.検査中の鎮静効果および,検査終了後の術者の満足度をスコア化し評価した.【成績】平均年齢は従来法群70±12歳 vs DFK群 68±8歳,男性22例(56%) vs 7例(78%),常習飲酒家2例(5%) vs 0例(0%)であった.検査時間はそれぞれ49±20分,43±20分で,従来法群でのミダゾラム投与量は5.8±2.4mg (7.8mg/h),DFK群での投与量は9.7±4.1ml (14.4ml/h)であった.処置中に体動がなかった症例は従来法で14例(36%),DFK法で5例(55%),反対に体動により処置継続に支障があった症例は従来法で8例(20%),DFK法で1例(11%)とDFK法の方が良好な体動コントロールを得られる傾向を認めた.処置中の意識レベルにおいてはDFK法のほうが覚醒している傾向があり,安全性についてはいずれの方法も同等であった.【結論】DFK法はERCP関連手技の鎮静法として,従来のベンゾジアゼピンによる鎮静法より奇異反応による体動を少なくする可能性が示唆された.
索引用語 ERCP, 鎮静