セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

ERCP麻酔

タイトル 内P-765:

ERCP時の鎮静における塩酸デクスメデトミジンの有用性の検討

演者 今井 隆行(滋賀医大附属病院・消化器内科)
共同演者 稲富 理(滋賀医大附属病院・消化器内科), 杉谷 義彦(滋賀医大附属病院・消化器内科), 神田 暁博(滋賀医大附属病院・消化器内科), 大崎 理英(滋賀医大附属病院・消化器内科), 児堀 綾子(滋賀医大附属病院・消化器内科), 望月 洋介(滋賀医大附属病院・光学医療診療部), 伴 宏充(滋賀医大附属病院・消化器内科), 塩谷 淳(滋賀医大附属病院・消化器内科), 馬場 重樹(滋賀医大附属病院・消化器内科), 安藤 朗(滋賀医大大学院・感染応答・免疫調節部門(消化器免疫)), 斉藤 康晴(滋賀医大附属病院・光学医療診療部), 藤山 佳秀(滋賀医大附属病院・消化器内科)
抄録 【目的】 ERCPは他の内視鏡検査に比べ侵襲が大きく,deep sedationが必要になる事が多い.鎮静による合併症として,呼吸抑制がしばしば問題になる.中枢性α2受容体作動薬である塩酸デクスメデトミジン(DEX)は,鎮静・鎮痛作用を持ちながら,呼吸抑制を認めにくい特徴を有する.今回,我々はERCP検査時の鎮静におけるDEXの安全性および有効性を検討した.
【方法】対象は2013年1月から3月までにERCPを施行した症例のうち,高齢者および,心機能低下者を除外した7 症例.DEX投与方法は,3μg/kg/hrの初期負荷を10分間施行し,以後0.4μg/kg/hrで維持投与を行った. 鎮静評価としてBIS値およびRichmond Agitation-Sedation Scale(RASS)を用い,RASS-3を目標に,適宜ミダゾラムおよびペンタゾシンの追加投与を行った.有効性の評価として検査完遂率,鎮静に伴う合併症の有無について検討した.
【成績】平均年齢は63.7歳,男女比は5:2であった.全症例の平均検査所要時間は47分,検査完遂率は100%であった.ミダゾラム,ペンタゾシンの平均投与量はそれぞれ9mg,5mgであった.1例に一過性の血圧低下を認めた以外は副作用を認めなかった.観察全期間を通してSpOが90%以下となった症例は認めなかった.
【結論】今回の検討では,DEX を用いることによりミタゾラムおよびペンタゾシンの追加投与量が比較的少量で抑えられ,ERCP時の安全なdeep sedationが可能であった.今後引き続き症例を蓄積し,さらなる有用性と安全性の検討を行う予定である.
索引用語 ERCP, 塩酸デクスメデトミジン