セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

ERCP麻酔

タイトル 内P-766:

ERCPにおける音響式呼吸数モニタリング下にTCIポンプを用いてプロポフォール投与量を調整する鎮静法の安全性の検討

演者 谷岡 大輔(国立岩国医療センター・消化器内科)
共同演者 皿谷 洋祐(国立岩国医療センター・消化器内科), 平田 尚志(国立岩国医療センター・消化器内科), 横峰 和典(国立岩国医療センター・消化器内科), 田中 盛富(国立岩国医療センター・消化器内科), 藤本 剛(国立岩国医療センター・消化器内科), 田中 彰一(国立岩国医療センター・消化器内科), 加藤 博也(岡山大大学院・消化器・肝臓内科学)
抄録 【目的】我々はTCIポンプを用いたプロポフォール鎮静を行いその安全性を報告してきた.しかしERCPの場合は腹臥位で施行するため呼吸状態を観察することが困難である.音響式呼吸数モニタリング(RRa)はセンサーを頚部に貼付し非侵襲的,連続的に呼吸数を測定することが可能である.RRa測定によるTCIポンプを用いたプロポフォール鎮静の安全性を検討した.【方法】対象は2012年11月から2013年3月までにTCIポンプを用いたプロポフォール鎮静下にERCPを施行した66例を対象とした.呼吸数測定はRRa(Rad-87)を用いRRaあり群33例となし群33例に無作為に分け血圧低下(収縮期血圧90mmHg未満),酸素飽和度低下(90%未満)の有無について検討した.鎮静方法は1%プロポフォールをTCIポンプにて70歳未満では2.2μg/mL,70-84歳では1.0μg/mL,85歳以上では0.6μg/mLの目標血中濃度で導入した.その後呼びかけで開眼しない段階での予測脳内濃度に目標血中濃度を再設定し維持した.血圧,心電図,酸素飽和度の値から過鎮静と医師が判断した場合は目標血中濃度を低下させた.RRa群ではさらに呼吸数の低下を認めた場合は目標血中濃度を低下させた.【成績】平均年齢は76.3歳(あり群76.8歳,なし群75.8歳,p=0.70),平均プロポフォール使用量は0.076mg/分/kg(あり群0.078mg/分/kg,なし群0.073mg/分/kg,p=0.54)だった.血圧低下例は,あり群なし群とも4例(12%),酸素飽和度低下例は,あり群なし群とも1例(3%)でありいずれも差がなかった.全例プロポフォールの一時的な中止ですみやかに回復した.【結論】TCIポンプを使用したプロポフォール鎮静は呼吸循環抑制を生じる症例があるものの全例すみやかに回復し比較的安全に施行できると考えられた.RRaは呼吸数が数値化されるので安心感はあるが安全性の上乗せ効果に関しては確認できなかった.
索引用語 プロポフォール, 呼吸数モニター