セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

ERCP関連偶発症1

タイトル 内P-769:

当院におけるPlastics stent迷入の検討

演者 清輔 良江(倉敷中央病院・消化器内科)
共同演者 石田 悦嗣(倉敷中央病院・消化器内科), 吉田 司(倉敷中央病院・消化器内科), 久保 敦司(倉敷中央病院・消化器内科), 松枝 和宏(倉敷中央病院・消化器内科), 山本 博(倉敷中央病院・消化器内科)
抄録 【目的】内視鏡的Plastic stent(PS)留置術は,現在種々の胆膵疾患に対して広く普及している安全な手技であるが,稀にステント迷入を経験する.放置すればドレナージ機能を果たさなくなり,感染・胆道穿孔など二次的合併症を引き起こし致命的な状況になる可能性があり,ステント回収および再留置が必要となる.PSの回収は内視鏡的回収が最も低侵襲であるが,回収専用デバイスがないため既存のデバイスを個々の症例に応じて内視鏡医のアイデアやテクニックを駆使して行っているのが現状である.当院におけるPS迷入の現状を分析し,対処法について検討する.【方法】2009年1月~2013年2月までに内視鏡的にPSを留置した1335例中PS迷入を来たした16例を対象とした.男性12例,女性4例,年齢64歳(35~88歳),胆管内迷入7例,膵管内迷入9例であった.疾患は,慢性膵炎10例,総胆管結石3例,十二指腸乳頭腺腫1例,十二指腸乳頭部癌1例,肝門部胆管癌1例であった.PS迷入の頻度,乳頭処置の有無,胆・膵管径,留置期間,使用ステントの種類・径・長さ,回収方法に関して検討した.【成績】PS迷入の頻度は1.2%,処置後乳頭は12例(75%).平均胆管径15mm,平均膵管径6mm.留置期間1ヶ月以内2例(12.5%),3ヶ月以内2例(12.5%),3ヶ月以上9例(56.3%),留置時の迷入は1例(6.3%),抜去時の迷入は2例(12.5%).ステントの種類はstraight type 15例,pig tail type 1例,ステント径は5Fr 2例,6Fr 1例,7Fr 8例,8.5Fr 1例,10Fr 4例,ステント長は5cm 7例,7cm 1例,9cm 4例,10cm 1例,12cm 3例.16例全例で内視鏡的に迷入したPSの回収に成功した.回収方法はバルーンカテーテル6 例,鉗子6例,バスケットカテーテル3例,スネア1例であった.【結論】頻度は低いもののPSの迷入を経験した.迷入ステントの回収には,バルーンカテーテルや鉗子を用いる方法が比較的容易であるが,ステント回収に難渋する場合もあり工夫が必要であり,困難な場合にはすぐに別の方法へ移行できるように様々な方法に習熟しておく必要がある.
索引用語 ERCP, ステント迷入