セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

ERCP関連偶発症1

タイトル 内P-770:

内視鏡的乳頭括約筋切開術におけるトラブルシューティング

演者 仙譽 学(山口大大学院・消化器病態内科学)
共同演者 戒能 聖治(山口大大学院・消化器病態内科学), 播磨 博文(山口大大学院・消化器病態内科学), 末永 成之(山口大大学院・消化器病態内科学), 坂井田 功(山口大大学院・消化器病態内科学)
抄録 【目的】内視鏡的乳頭括約筋切開術は1973~74年にKawaiら,相馬らClassenらによって初めて報告されてから40年近くが経過している.主に胆管結石の治療目的に施行されるが,近年ではその他の内視鏡治療時にデバイスを胆管内へのアクセスを容易とするために施行されることも少なくない.一方で,処置時の出血や消化管穿孔などの偶発症をきたすリスクが存在する.今回,EST時の偶発症について検討し,トラブルシューティングについて報告する.【方法】2005年1月から2013年2月までに当科でESTを施行した502例を対象とした.パピロトームはStonetome®(Boston Scientific),Clever Cut3V(Olympus)を使用し,高周波電源はICC200(ERBE),ESG-100(Olympus)を使用した.出血に関してはEST時に顕性出血があり,内視鏡処置を要したものとした.【結果】502例中12例(2.39%)で処置時に出血を来したが,後出血は認めなかった.また穿孔は1例(0.20%)に認めた.穿孔例はBillroth-II法再建残胃に対するEST症例であった.出血に対してはバルーンでの圧迫を11例,パピロトーム・止血鉗子での凝固を3例,clipping,HSE局注をそれぞれ1例(重複あり)に施行し止血を確認した.穿孔に対してはclipで穿孔部の縫縮を行うことで外科的治療を要さず保存的に観察可能であった.【結論】ERCP関連手技を行う際には慎重かつ確実な操作が必要とされる.一方でEST時の偶発症については完全に回避することは困難である.そのため,種々の偶発症に対する対処法を習熟しておく必要がある.
索引用語 内視鏡的乳頭括約筋切開術, トラブルシューティング