セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

ERCP関連偶発症1

タイトル 内P-771:

ERCP関連手技のトラブルシューティング

演者 簑田 竜平(福岡大筑紫病院・消化器内科)
共同演者 植木 敏晴(福岡大筑紫病院・消化器内科), 松井 敏幸(福岡大筑紫病院・消化器内科)
抄録 【目的】当院で経験したERCP関連手技の偶発症とその対応について報告する.【対象と方法】2008年1月から2012年12月までに当科で施行したERCP1937例のうち偶発症17例(0.88%)を対象とした.【検討項目】1,偶発症の内訳,2,その対処法.【成績】1,EST後出血が12例,消化管穿孔が3例,重症膵炎が1例,膵管ステント迷入が1例あった.2,EST後出血の止血方法は,ヒートプローブでの焼灼術が4例,APC焼灼は3例,トロンビン散布のみでの止血は3例,ヒートプロ―ブとHSE併用が1例,自然止血が1例であった.全症例内科的に止血できた.消化管穿孔の理由はESTによるものが2例で解剖学的に十二指腸と膵臓が結合していなかった症例,スコープの引き抜き操作による十二指腸球部の穿孔が1例あった.全例ENBDを留置し外科的治療で軽快した.重症膵炎の1例は,IPMNの精査目的で行ったERPで嚢胞内にカニューラを挿入し内容液を採取した.その後,感染性膵嚢胞も伴ったが,蛋白分解酵素阻害薬+抗生剤の持続動注療法と経皮的膿瘍ドレナージにて改善した.さらに,胆管狭窄が出現したがPTBD内外瘻チューブを留置し改善した.術後3か月後にチューブを抜去した.膵管ステント迷入の例は,他院で施行された症例であった.バルーンカテーテルにて頭部主膵管を拡張後,把持鉗子でステントを抜去した.【まとめ】ERCP関連手技の偶発症はおおむね内科的処置で対応可能であるが,外科医との相談の上,迅速かつ冷静な対応をすることが大切である.以下,代表的な症例をビデオで供覧する.
索引用語 ERCP関連手技, トラブルシューティング