セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

ERCP関連偶発症2

タイトル 内P-774:

当院における胆道チューブステント逸脱,迷入例の検討

演者 末谷 敬吾(聖マリアンナ医大・消化器・肝臓内科)
共同演者 中原 一有(聖マリアンナ医大・消化器・肝臓内科), 路川 陽介(聖マリアンナ医大・消化器・肝臓内科), 奥瀬 千晃(聖マリアンナ医大・消化器・肝臓内科), 伊東 文生(聖マリアンナ医大・消化器・肝臓内科)
抄録 【目的】当院における胆道チューブステント(TS)留置例の逸脱,迷入の実態およびその対処法を明らかにする.【方法】対象は2007年10月から2012年12月の間に当科にて胆道TS留置を施行した636例,719本(pigtail型;456本,straight型;249本,spiral型;14本,<7Fr;649本,>7Fr;70本,<7cm;417本,>7cm;302本)である.原疾患は悪性疾患349例,良性疾患287例,狭窄部位は上部~肝門部124例,中~下部295例,なし217例,乳頭処置は有り465例,無し171例であった.検討項目は1)逸脱,迷入率,2)逸脱,迷入例の詳細(原疾患,狭窄部位,ステント形状/径/長,乳頭処置の有無),3)対処法とした.また,検討項目2)に関しては非逸脱,非迷入例と比較検討した.【結果】1)逸脱率は2.5%(18/719),迷入率は1.0%(7/719)であった.2)逸脱例は非逸脱例と比較し,有意にstraight型(P=0.008)で多く,pigtail型(P=0.015)で少なかったが,原疾患,狭窄部位,ステント径/長,乳頭処置の有無では差はなかった.迷入例は非迷入例と比較し,有意にstraight型(P=0.014),>7Fr(P=0.020)で多く,pigtail型(P=0.020)で少なかったが,原疾患,狭窄部位,ステント長,乳頭処置の有無では差はなかった.3)逸脱例のうち,既往に腹部手術歴がある1例は,TSが癒着部で停留して腸閉塞をきたし内視鏡的に回収困難で手術を要したが,他の逸脱例17例はTSの自然排泄が確認された.迷入例のうち,急性胆嚢炎に対しEGBDを施行後,胆嚢内にTSが迷入した1例は内視鏡的に回収困難で手術を要したが,他の迷入例6例は内視鏡的に回収可能であった.方法は,ステントリトリバーが2例,バスケットが2例,把持鉗子が2例であった.【結語】逸脱はstraight型,迷入はstraight型および太径のTSにて生じ易い.逸脱は多くは自然排泄が期待できるが,腹部手術歴がある場合には逸脱したTSが腸閉塞の原因となることがある.迷入は多くは内視鏡的に回収可能であるが,胆嚢内への迷入は手術を要する場合がある.
索引用語 胆道チューブステント, 迷入と逸脱