セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

ERCP関連偶発症2

タイトル 内P-775:

総胆管結石採石用8線バスケットの乳頭部嵌噸におけるESTナイフによる嵌噸解除

演者 花田 敬士(尾道総合病院・消化器内科)
共同演者 飯星 知博(尾道総合病院・消化器内科), 平野 巨通(尾道総合病院・消化器内科)
抄録 緒言総胆管結石の排石に際しては,内視鏡的経乳頭的アプロ-チを行う場合が多い.胆管結石が比較的小型の場合,あるいは大型の結石を機械的に破砕後に破片の採石を目的として,8線バスケットを用いる場合がある.この場合結石を把持して排石を行った際,誤って乳頭部にバスケットを嵌噸させた場合は,バスケットの総胆管内への移動あるいは開放が困難で,エンドトリプタ-は使用できないため対応に難渋する.今回,このような状況下でESTナイフにてワイヤ-の切断を試みて嵌噸を解除可能となった2例を経験したので動画を交えて報告する.トラブルシュ-ティングの概要2例とも総胆管結石の症例.使用スコ-プはTJF260V(オリンパス).胆管造影にて比較的大型の結石を認めたため,十二指腸乳頭に対してEST(中切開)を施行.結石を砕石用バスケット(ゼメックスクラッシャ-カテ-テル:ゼオンメディカル)にて機械的に破砕後,0.025“のガイドワイヤ-(Jagwire:Boston Scienitific)をsafety wireとして総胆管に留置したまま,破砕した結石の大半を砕石用バスケットで排石した.その後の胆管造影で残石は5mm程度の小型の破砕片と判断した.次いで採石用8線バスケット(Memory Basket Eight Wire:COOK)にて排石を試みた際,乳頭部にて嵌噸が発生した.留置していたsafety wireを利用して,ESTナイフ(CleverCut:オリンパス)にて乳頭の追加切開を試みた際,8線バスケットのワイヤ-にESTナイフのワイヤ-が接触.そのままワイヤ-が切断されて,嵌噸を解除することが可能となった.まとめ総胆管結石採石用8線バスケットの乳頭部嵌噸におけるESTナイフによる嵌噸解除の2例を報告した.検索し得た範囲では過去同様の報告が見られないため,本手技の妥当性,安全性を含めた検討が必要である.
索引用語 総胆管結石, バスケット嵌噸