セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

ERCP関連偶発症2

タイトル 内P-777:

迷入した膵管ステントを内視鏡的に回収し得た2例

演者 安部 快紀(岐阜県立多治見病院・消化器内科)
共同演者 福定 繁紀(岐阜県立多治見病院・消化器内科), 井上 匡央(岐阜県立多治見病院・消化器内科), 加地 謙太(岐阜県立多治見病院・消化器内科), 西江 裕忠(岐阜県立多治見病院・消化器内科), 西 祐二(岐阜県立多治見病院・消化器内科), 水島 隆史(岐阜県立多治見病院・消化器内科), 奥村 文浩(岐阜県立多治見病院・消化器内科), 佐野 仁(岐阜県立多治見病院・消化器内科)
抄録 【背景】膵管ステントはERCP後膵炎予防や慢性膵炎の疼痛緩和の治療として有用である.一方,留置に伴う偶発症として膵炎,膵膿瘍の他にステントの膵管内への迷入が報告されている.膵管は胆管に比し径が細く,屈曲もあることより,迷入した膵管ステント抜去の困難さが指摘されている.今回,我々は膵管ステント留置時および留置期間中に迷入し,内視鏡的に回収し得た2例を経験したので報告する.【症例1】80歳代男性.腹痛を主訴に受診し,胆石性膵炎にて入院.総胆管結石採石後,ERCP後膵炎予防目的の片側pigtail脱落型膵管ステント(5Fr)挿入の際に,腸管の蠕動にて内視鏡の視野を失ったことで,ステントが膵管内に迷入した.バルーンカテーテルや把持鉗子などで回収を試みたが不成功に終わったため,COOK社製 MemoryTM Basket Eight Wireのシースを迷入したステントの尾側膵管まで挿入し,その中に大腸ポリペクトミー用スネアのワイヤーのみを通し,把持することで回収に成功した.【症例2】80歳代男性.急性膵炎後仮性嚢胞のため,平成24年6月膵管ステント(COOK社製 Geenen型 7Fr)を留置し,その後嚢胞は消失した.同年10月膵管ステント抜去を試みた際にステントは膵管内に迷入していた.ステントの内腔にガイドワイヤーを通し,乳頭拡張用バルーン(4mm)をステント内で膨らませてステントを保持し乳頭側に移動させ,バスケットカテーテルで把持し回収に成功した.【考察】留置時の迷入は,乳頭開口部を確実に視認し,ステントが適切な位置にあるのを常に確認しながら処置を行うなど慎重な挿入操作で回避できると思われる.迷入時の内視鏡によるステント回収には確立された一定の方法がないため,様々な既存の処置具を準備し,状況に応じて対処する必要があると考えられた.
索引用語 膵管ステント, 内視鏡的治療