セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

B型肝炎-病態・診断2

タイトル 肝P-11:

B型慢性肝疾患に対する核酸アナログ投与中に出現したHCCの検討

演者 河岡 友和(広島大病院・消化器・代謝内科)
共同演者 相方 浩(広島大病院・消化器・代謝内科), 菅 宏実(広島大病院・消化器・代謝内科), 藤野 初江(広島大病院・消化器・代謝内科), 福原 崇之(広島大病院・消化器・代謝内科), 小林 知樹(広島大病院・消化器・代謝内科), 苗代 典昭(広島大病院・消化器・代謝内科), 宮木 大輔(広島大病院・消化器・代謝内科), 平松 憲(広島大病院・消化器・代謝内科), 茶山 一彰(広島大病院・消化器・代謝内科)
抄録 目的)今回,我々はB型慢性肝疾患に対する核酸アナログ投与中に出現したHCCの頻度と,HCC出現に寄与する因子について検討した.方法)対象は2000年から2010年11月までにB型慢性肝疾患に対し,当院および関連施設で核酸アナログ投与開始し,12カ月以上経過の追えた592例.核酸アナログ投与中の累積発癌率,およびHCC出現に寄与する因子について検討した.結果)男性/女性,382/210例.核酸アナログ開始時の年齢の中央値は49歳.肝線維化因子;F1-2/F3-4/未施行,113/117/253例.HBeAg陽性244 (41.2%),HBVDNAの中央値は5.9 log copy/mlであった.核酸アナログ種類はエンテカビル開始群268例,ラミブジン324例.核酸アナログ投与中の累積発癌率は1年1%,3年6%,5年10%,10年18%であった.HCC出現に寄与する因子の検討として,単変量解析では年齢,PLT,ALT, PT, Alb, 肝線維化因子,臨床診断が挙げられ,多変量解析ではBMI(>22);オッズ比2.6,P=0.011,内服開始時の年齢 (>50);オッズ比2.5,P=0.004,臨床診断 (LC) ;オッズ比2.0,P=0.016,ALT (>60) ;オッズ比1.8,P=0.041,がHCC出現に寄与する因子として抽出された.CH症例においては,HCC出現に寄与する因子の検討としてPlt (>14万) ;オッズ比4.8,P=0.001,HBVDNA (>6 logcopy/ml);オッズ比5.1,P=0.025がHCC出現に寄与する因子として抽出された.LC症例においては,HCC出現に寄与する因子の検討として年齢 (>50) ;オッズ比6.1,P=0.004がHCC出現に寄与する因子として抽出された.結語)核酸アナログ投与中の累積発癌率は1年1%,3年6%,5年10%,10年18%であった.核酸アナログ投与中,CH症例においては核酸アナログ開始時HBVDNAの高い症例,LC症例においては核酸アナログ開始時年齢の高い症例にHCCの出現する可能性が高いことが示唆された.
索引用語 核酸アナログ, HBV