セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

B型肝炎-治療1

タイトル 肝P-12:

小児期B型肝炎ウイルス感染症の自然経過とインターフェロンの治療効果の検討

演者 高野 智子(大阪府立急性期・総合医療センター・小児科)
共同演者 田尻 仁(大阪府立急性期・総合医療センター・小児科), 恵谷 ゆり(大阪府立母子保健総合医療センター・消化器・内分泌科), 三善 陽子(大阪大大学院・小児科学)
抄録 【始めに】小児期B型肝炎ウイルス(HBV)感染症に対するインターフェロン(IFN)治療が短期的(治療後1年の効果判定)にはALT正常化,HBeセロコンバージョン,HBV-DNA量低下に有効であることが示されている.しかしながら,IFN治療の長期的効果に関しては海外においても報告が少ない.今回小児期HBV感染症の自然経過とIFN治療の長期的効果に関して検討した.【対象】15歳までにHBV感染症と診断され,1986-2012年に3施設にて診療を受けた155人をカルテより後方視的に検討した.【結果】男児97人,女児58人.母子感染96人,水平感染59人.genotypeはA23%,B8%,C60%.48人がIFN治療を受け,90%がALT正常化し,HBe抗原陽性で治療した43人中29人(67%)が治療後1年以内にHBeセロコンバージョンした.HBe抗原陽性でIFN治療した43人(IFN群)と6カ月以上肝炎が続き無治療の67人(無治療群)とをIFN治療開始または肝炎発症からの経過で比較した.IFN群では最終診察時に無症候性キャリアになっている率が有意に高く(p<0.001),低ウイルス量化している割合も高かった.2群間でCoxハザード解析を行うと,IFN治療群で有意にHBeセロコンバージョン率(p=0.003),ALT正常化率(p<0.001),低ウイルス量化率(p<0.001)が高いことが示された.【結論】IFN治療は小児期HBV感染症のALT正常化,HBeセロコンバージョン,HBV-DNA量低下に長期的にも有効であると考える.
索引用語 B型肝炎ウイルス感染症, インターフェロン治療