セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

B型肝炎-治療1

タイトル 肝P-14:

B型慢性肝炎に対するペグインターフェロンα-2a間欠投与の検討

演者 川西 輝明(札幌緑愛病院・肝臓センター)
共同演者 高柳 俊明(札幌緑愛病院・肝臓センター), 羽二生 輝樹(札幌緑愛病院・肝臓センター), 美馬 聰昭(札幌緑愛病院・肝臓センター)
抄録 【目的】2011年9月よりペグインターフェロンα-2a (PegIFN)がB型慢性肝炎に対し使用可能となった.しかし当院の外来患者は遠方からの通院患者が多く,週1回の通院が困難な状況にある.そこで患者の通院タイミングに合わせたPegIFN投与を行い,その有用性を検討することとした.
【方法】PegIFN 90μgを原則月に1回投与し,HBs抗原量,HBV-DNA量,ALT値の投与後における推移を確認した.HBs抗原量はルミパルス2 HBsAgを用い測定した.
【成績】対象は2011年10月から2012年8月までの間にPegIFNによる治療を開始したB型慢性肝炎患者25例.平均年齢は55歳,性別は男性が22例(88%),核酸アナログ製剤を併用した症例が23例(92%),IFN治療の既往のある症例が11例(44%)であった.
PegIFN開始前HBs抗原量を測定できた7例についてその推移を検討したところ,平均値はPegIFN開始前,6ヵ月後,12ヵ月後それぞれ1064,856,837 C.O.Iであり,平均40%(16-100)の減少が認められた.更にそのうち1例ではHBs抗原の消失が得られた.HBV-DNAがPegIFN開始前2.1Log copies/ml未満でシグナル検出であった9例は全てシグナル検出せずとなった.またPegIFN開始前4Log copies/ml以上であった4例のうち2例は2.1Log copies/ml未満まで減少した.ALTの平均値はPegIFN開始前,6ヵ月後,12ヵ月後それぞれ44.6,34.3,33.8IU/Lであった.またPegIFN投与開始後ALT値が投与前に比べ上昇し50IU/Lを超える症例を5例(>500: 1例,100-200 :3例,<100: 1例)認めたが,PegIFN投与継続により軽快していた.
【結論】B型慢性肝炎に対するPegIFN間欠投与はHBs抗原,HBV-DNAの減少効果が期待でき,毎週の通院が困難な症例での治療の選択肢になりうる事が示唆された.
索引用語 B型慢性肝炎, ペグインターフェロンα2a