セッション情報 | ポスターセッション(肝臓学会)B型肝炎-治療3 |
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タイトル | 肝P-22:核酸アナログ製剤を投与したB型慢性肝疾患の長期経過 |
演者 | 中尾 春壽(愛知医大・消化器内科) |
共同演者 | 山本 高也(愛知医大・消化器内科), 大橋 知彦(愛知医大・消化器内科), 中出 幸臣(愛知医大・消化器内科), 佐藤 顕(愛知医大・消化器内科), 伊藤 清顕(愛知医大・消化器内科), 米田 政志(愛知医大・消化器内科) |
抄録 | 【目的】現在,B型慢性肝疾患の基本的治療薬として3種の核酸アナログ製剤(NA)(ラミブジン(LAM),アデフォビル(ADV),エンテカビル(ETV))が使用されているが,薬剤耐性の出現や投与中止の困難さなどの問題点がある.我々は最近12年間に当院でNA治療を施行した患者の長期経過を検討した.【方法】2000年以降に当科でLAM,ADV,ETVを1年以上連続投与したB型慢性肝疾患患者201名(男性127名,女性74名)を対象とした.平均年齢は49.6±14.1歳で,初回投与NAはLAM 116例,ETV 85例であった.breakthrough hepatitis(BH)の状況を解析し,一部の症例にはINNO-LiPA法にてNA耐性遺伝子変異を解析した.【成績】LAMを投与した116名のうち転院した56例を除く60例では,LAM単独継続は13例(22%),BHにてLAM+ADVに変更は27例(45.8%),ETV単独に変更は16例(21.7%)で,Drug Freeは3例(5.1%)であった.LAM+ADV27例のうち1例(1.7%)はETV単独に変更し3例(5.1%)は再度BHを生じてETV+ADV投与に変更した.ETV単独に変更した16例のうち,15例(25.4%)はETV単独投与を継続したが,1例(1.7%)はBHを生じてETV+ADVに変更した.初回ETV投与85例のうち転院10例を除く75例中74例(98.7%)はBHを認めずETV単独投与を継続中で,1例は投与開始4年目にHBs抗原が陰性化した.BHにてLAM+ADVに変更例ではL180MのLAM耐性変異を,ADV+ETVに変更3例中2例はLAM耐性変異とETV耐性変異を認め,1例はETV耐性変異とADV耐性変異を認めた.ETVでBHを生じた1例はINNO-LiPA法ではLAM耐性遺伝子変異を有するもETV耐性遺伝子変異は認めず,ポリメラーゼ領域の遺伝子配列を解析中である.【結語】NA投与例ではBHがなくとも耐性遺伝子変異を有する症例もあり,NAを変更する際には変更前に耐性遺伝子変異の測定が望ましいと思われる. |
索引用語 | HBV, 核酸アナログ製剤 |