セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

B型肝炎-治療3

タイトル 肝P-24:

B型慢性肝炎に対するPEG-IFN治療におけるsequential療法の検討

演者 糸川 典夫(日本医大千葉北総病院・消化器内科)
共同演者 厚川 正則(日本医大千葉北総病院・消化器内科), 近藤 千紗(日本医大千葉北総病院・消化器内科), 中川 愛(日本医大千葉北総病院・消化器内科), 安良岡 高志(日本医大・消化器内科), 橋本 知美(日本医大千葉北総病院・消化器内科), 福田 健(日本医大千葉北総病院・消化器内科), 松下 洋子(日本医大千葉北総病院・消化器内科), 城所 秀子(日本医大・消化器内科), 楢原 義之(日本医大・消化器内科), 中塚 雄久(日本医大・消化器内科), 金沢 秀典(日本医大・消化器内科), 岩切 勝彦(日本医大・消化器内科), 坂本 長逸(日本医大・消化器内科)
抄録 【背景】B型慢性肝炎に対する治療戦略の一つとしてPEG-IFNが使用可能となった.一部の症例に対し核酸アナログ製剤使用例に対するIFN療法への切り替えとしてsequential療法が施行されてきた.しかし現在sequential療法の効果について不明な点も多い.【方法】B型慢性肝炎と診断され核酸アナログ製剤を内服中の患者のうちPEG-IFN治療への切り替えに同意した8例に対しsequential療法を施行し効果や安全性について検討した.本研究は薬物治験倫理委員会承認のもと施行された.【結果】患者背景は,年齢中央値48歳(38-57),男性6例,女性2例,HVB genotype Aが1例,genotype Cが7例.HBe抗原陽性は4例,すべての症例でentecavirは2年以上内服歴があった.8症例における48週のPEG-IFNα2の投与終了時の治療効果について検討したところ,HBs抗原の低下を6例に,HVB-DAN量の低下を2例に,HBcrAgの低下を1例に認められた.トランスアミナーゼは全例で核酸アナログ内服時よりも上昇していた.HBV-DNAの低下が認められた2症例,HBcrAgの低下が認められた1症例はいずれもHBe抗体陽性例であり,かつHBs抗原が1500未満(CLEIA法)の症例であった.一方多くの症例で核酸アナログ製剤によるHBV-DNAの低下効果が消失し,PEG-IFN投与中のHBV-DNA量の上昇を認めていた.PEG-IFN投与中のe抗原やs抗原のセロコンバージョンは認めなかった.PEG-IFN投与による重篤な有害事象を認めなかった.【結語】B型慢性肝炎に対する短期的なHBV-DNA低下作用,トランスアミナーゼ低下作用は核酸アナログ製剤のほうが有用であると思われるが,核酸アナログ内服時に比してHBs抗原の低下を認める症例も散見され,今後PEG-IFNの投与終了後の長期的な効果について期待していきたい.
索引用語 B型肝炎, sequential療法