セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

B型肝炎-治療3

タイトル 肝P-25:

通常型インターフェロンによるシークエンシャル療法を施行した症例の経過について

演者 神田 達郎(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学)
共同演者 中村 昌人(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学), 宮村 達雄(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学), 亀崎 秀宏(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学), 姜 霞(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学), 呉 霜(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学), 中本 晋吾(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学DELIMITER千葉大大学院・分子ウイルス学), 新井 誠人(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学), 今関 文夫(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学DELIMITER千葉大総合安全衛生管理機構), 横須賀 收(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学)
抄録 【目的】B型肝炎治療において, ペグインターフェロンを用いた核酸アナログ薬中止の試みが注目されている. インターフェロン併用によるシークエンシャル療法で核酸アナログ薬を積極的に中止することの有用性が報告されているが, 中止後に肝炎が再燃する症例もみられる. 我々は, 通常型インターフェロンによるシークエンシャル療法を施行した8例の経過について臨床的およびウイルス学的検討を行なった. 【対象と方法】当科において通常型インターフェロンによるシークエンシャル療法を施行した8例 [平均年齢33.5±1.9 (31-37), 男女比 6/2, 平均核酸アナログ製剤投与期間9 (6-60)ヶ月] を対象に治療終了後の観察検討を行なった (平均観察期間3.2±1.4年, 最長6年). 【結果】1) 核酸アナログ中止時のHBsAg量およびHBcrAgを用いた再燃リスクスコア(肝臓2012;53:237)の検討ではインターフェロン開始前高リスク8例中7例, 核酸アナログ中止時高リスク8例中7例であった. 2) 経過観察が7例で可能であったが, 3例(32歳, 34歳, 35歳)で核酸アナログ製剤を使用せず経過観察中である. 3) このうち2例は核酸アナログ開始時HBeAg陽性でありHBeAg to HBeAb Seroconversionを起こしHBcrAgが低値持続していた.【結論】核酸アナログ開始時HBeAg陽性症例ではHBeAg to HBeAb SeroconversionおよびHBcrAgの経過が中止成功に重要であると考えられた. 35歳以下のHBeAg陽性例ではHBsAg量が800IU/mL以上の症例でも中止成功例があることが再確認された. 今後はより効果が強力なペグインターフェロンを用いて核酸アナログ薬の中止に向けた検討を行なう必要があると考えられた.
索引用語 ペグインターフェロン, HBcrAg