セッション情報 | ポスターセッション(肝臓学会)B型肝炎・その他のウイルス性肝炎 |
---|---|
タイトル | 肝P-28:ベトナムのB型急性肝炎とB型慢性肝炎におけるHBV subgenotypeについての検討 |
演者 | 林 和彦(名古屋大・消化器内科) |
共同演者 | 片野 義明(名古屋大・消化器内科), 今井 則博(名古屋大・消化器内科), 阿知波 宏一(名古屋大・消化器内科), 荒川 恭宏(名古屋大・消化器内科), 山田 恵一(名古屋大・消化器内科), 中野 聡(名古屋大・消化器内科), 石津 洋二(名古屋大・消化器内科), 葛谷 貞二(名古屋大・消化器内科), 本多 隆(名古屋大・消化器内科), 石上 雅敏(名古屋大・消化器内科), 石川 哲也(名古屋大・消化器内科), 中野 功(名古屋大・消化器内科), 後藤 秀実(名古屋大・消化器内科) |
抄録 | 【目的】わが国の急性肝炎のB型肝炎ウイルス(HBV)subgenotype分布は慢性肝炎と異なり,A2,B3,C1などの海外型のsubgenotypeが蔓延している.慢性肝炎でのsubgenotype分布は,C2とB1 が約90%以上を占めていたが,近年A2 が増加している.またコアプロモーター(BCP),プレコア(PC)領域の変異は劇症化に進展することが知られているが,同じアジアのベトナムでこれらの知見が有用かどうか不明である.そこで今回ベトナム中部のフエ市におけるB型急性肝炎とB型慢性肝炎におけるHBV subgenotype分布とPC,BCP変異の役割について検討した.【方法】対象は,入院加療した31人 の急性肝炎(AH群)と通院中の73人の慢性肝炎(CH群).AH群は,男16例,女15例,平均年齢31.1 歳で,CH群は,男49例,女24例,平均年齢33.4歳であった.ダイレクトシークエンスでPreSとBCP/PC領域を解析し,subgenotypeを判定した.【成績】CH群のsubgenotypeは,B4(n=59) ,C1(n=14), D2(n=1)であった.46例に家族内感染歴があったが,D2の感染原因は不明であった.AH群のsubgenotypeは,B4(n=25) ,C1(n=6) であり,CH群とAH群のsubgenotype分布の違いには有意差はなかった.劇症化した3例は,全例B4であり,このうち2例は,T1762,A1764,A1896変異を有していた.この3つの変異を有する症例は急性肝炎例には認めなかった.【結論】ベトナムにおける急性肝炎と慢性肝炎のsubgenotype分布は,ともにB4が80%でC1が20%と違いはなかった.B4の急性肝炎 においても日本のC2 ,B1と同様にT1762,A1764,A1896変異は劇症化の危険因子であった. |
索引用語 | B型肝炎, genotype |