セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

B型肝炎・その他のウイルス性肝炎

タイトル 肝P-31:

当科における急性E型肝炎の臨床像

演者 青山 徹(NTT東日本関東病院・消化器内科)
共同演者 寺谷 卓馬(NTT東日本関東病院・消化器内科), 宮内 倫沙(NTT東日本関東病院・消化器内科), 松橋 信行(NTT東日本関東病院・消化器内科)
抄録 【背景と目的】昨今,急性肝障害の成因は多様化しており,診断に難渋する場合がある.以前は輸入感染症としての側面があったE型肝炎感染が国内で散発的に報告されていることから,原因不明の急性肝炎の中に急性E型肝炎が含まれることが認識されてきた.HEV-IgA抗体測定が2011年10月に保険収載になったことを受けて,当科において,急性E型肝炎と診断し得た4症例の臨床的特徴を検討した.【方法】 当科で診断し得た4症例につき,病型,臨床経過,血液生化学検査の推移を考察した.【成績】性別:男性4例,女性0例,平均年齢:56.5歳(56-59歳),海外渡航歴:4例ともなし,感染経路:4例とも不明,食餌歴:4例とも特記事項なし(生牡蠣,鹿肉,馬肉,牛肉生鮮食品の摂取なし),主な症状:褐色尿 3例,倦怠感 1例,病型:4例とも急性肝炎,診断方法:HEV-IgA抗体測定(ELISA)3例,HEV-RNA(PCR)測定 1例,ALT peak値平均:1898IU/L(1328-2721 IU/L),T-Bil peak値:平均7.6 mg/dl(1-19.1mg/dl),来院時PT値:77%(47-106%),異型リンパ球出現:2例,治療:4例とも保存的治療,転帰:4例とも軽快.【結論】臨床像として,他の急性肝炎の像と大きな違いはなかった.国内で散発例が多数報告されていることもあり急性肝障害診療の際には診断,予後の予測の面からも,HEV抗体測定を早い段階で検討する必要があると考えた.
索引用語 E型肝炎, 肝障害