セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

C型肝炎-基礎1

タイトル 肝P-34:

次世代シークエンサーを用いた発癌群と非発癌群におけるHCV coreアミノ酸変異の経時的変化

演者 飯尾 悦子(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学DELIMITER名古屋市立大大学院・ウイルス学)
共同演者 村上 周子(名古屋市立大大学院・ウイルス学), 渡邊 綱正(名古屋市立大大学院・ウイルス学), 松居 剛志(名古屋市立大大学院・ウイルス学), 渡辺 久剛(山形大・消化器内科), 斎藤 貴史(山形大・消化器内科), 野尻 俊輔(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 城 卓志(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 田中 靖人(名古屋市立大大学院・ウイルス学)
抄録 【目的】近年,C型肝炎ウイルス(HCV)core70変異の蓄積と肝発癌との関連が指摘されている.今回我々は次世代シークエンサー(NGS)を用いて,HCV患者のcore70変異を,発癌群と非発癌群で経時的変化を解析し,従来のDirect sequencing(DS)法と比較検討した.【対象・方法】C型肝炎住民コホート研究HCV-1b 20名(観察期間中の発癌群,非発癌群各10名)を対象とし,core70/91を含むcore領域274塩基配列(nt 348-622)において,NGS (Genome Sequencer FLX (Roche))を用いてDSの結果と比較検討.IL28Bなどの臨床データと合わせて解析.【成績】発癌群,非発癌群各10症例のNGS解析を行い,検出された総リード数,総塩基数の各中央値は1560 (158-8552),488,828 (22,339-2,602,301)で,reference HCV-Jにマッピングされたread数中央値は1376であった.年齢中央値,性別(M/F),IL28B多型 (Major/HE/Minor),観察期間中央値(月)は,発癌群 : 非発癌群= 63.5 (50-73) : 60.5 (52-72),5/5 : 4/6 ,6/3/1 : 8/2/0 ,120.5 (41-181) : 108 (72-192)で,いずれも両群間に有意差を認めなかった.core70はエントリー時,DSでは発癌群,非発癌群で,野生型(W)/変異型(M)=3/7:6/4で,発癌群で多い傾向であった.また経時的変化は,W→W:W→M:M→M:M→Wが発癌群1 : 2 : 6 : 1,非発癌群4 : 2 : 4 : 0であった.IL28B多型別では,発癌群のHE3例は1例W→M,2例M→Mと発癌時に変異型で,Minorの1例はM→Wに変化した.NGSでは,発癌群2例,非発癌群5例でminor cloneを検出したが,DSで野生型と変異型の混在を検出できたのは各群1例であった.エントリー時DSで単一cloneの3例は,NGSでminor clone が2.6,3.5,8.9%混在していた.【結論】NGSはDSで検出できなかったCore70のquasispieciesを検出できた.解析症例及びポイントを増やして追加検討する.
索引用語 次世代シークエンサー, core70