セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

C型肝炎-基礎2

タイトル 肝P-39:

IFNλ4遺伝子多型とTelaprevir/PEG-IFN/RBV治療効果の関係

演者 藤野 初江(広島大病院・消化器・代謝内科)
共同演者 今村 道雄(広島大病院・消化器・代謝内科), 長沖 祐子(広島大病院・消化器・代謝内科), 越智 秀典(広島大病院・消化器・代謝内科), 川上 由育(広島大病院・消化器・代謝内科), 茶山 一彰(広島大病院・消化器・代謝内科)
抄録 【目的】近年, IFNλ4遺伝子型(ss469415590)が,IFNλ3(IL28B)遺伝子型(rs8099917)と連鎖不平衡にあり,HCVの自然排除との関連が明らかとなった.今回,Telaprevir/PEG-IFN/RBV療法を施行したC型慢性肝炎患者において,IL28BおよびIFNλ4の遺伝子型の関係,さらに遺伝子型及び前治療効果と抗ウイルス効果の関係を検討した.【方法】対象はgenotype1型高ウイルス量のC型慢性肝炎患者87例.男性49例/女性38例,年齢中央値は61歳.IL28B(rs8099917)及びIFNλ4(ss469415590)遺伝子型または前治療効果と治療開始4週後(RVR),治療終了時(EOT)および治療終了12週後(SVR12)のウイルス陰性化率の関連を検討した.【結果】IL28Bは全例で測定されTT 63例,TG 23例,GG 1例,IFNλ4は65例で測定され,TT/TT 45例,TT/ΔG 19例,ΔG/ΔG 1例.IL28B TTの症例の内1例がIFNλ4 TT/ΔG,IL28B TGの症例の内1例がIFNλ4 TT/TT,IL28BとIFNλ4の遺伝子型一致率は97%(63/65例)であった.RVR,EVR,SVR12率はIL28B TT vs TG/GGで81% vs 87%(p=0.53),94% vs 81%(p=0.08),88% vs 65%(p=0<0.05),IFNλ4 TT/TT vs TT/ΔGまたはΔG/ΔGで79% vs 80%(p=0.93),95% vs 74%(p=0.06),89 vs 58%(p=<0.01)で,いずれのSNPもSVR12率に関連し,メジャータイプは有意にSVR12率が高値であった.前治療効果別の検討では,SVR12率は初回治療83%(15/18例),再燃97%(28/29例),前治療無効で47%(8/17例)と前治療無効で有意に不良であった(P<0.001).前治療効果及びIFNλ4遺伝子型の組み合わせの検討では,初回治療および前治療再燃ではIFNλ4の遺伝子型に関わらず高いSVR12率を得たが,前治療無効でのSVR12率はIFNλ4 TT/TTで60%(3/5例),TT/ΔG及びΔG/ΔGで42%(5/12例)と特にTT/ΔG及びΔG/ΔGの症例で低値であった.【結語】IFNλ4 SNPはIL28Bと強い連鎖不平衡にあり,IL28Bと同程度以上にTelaprevir/PEG-IFN/RBV療法の抗ウイルス効果と関連していた.前治療無効のIFNλ4 TT/ΔGおよびΔG/ΔG例は特に難治性であった.
索引用語 テラプレビル, 遺伝子多型