セッション情報 |
ポスターセッション(肝臓学会)
C型肝炎-病態・診断
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タイトル |
肝P-40:C型慢性肝炎に対するPeg IFN,リバビリン併用療法中の末梢血中HCV特異的CD8 T細胞のエフェクター機能修飾の検討
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演者 |
中本 伸宏(慶應義塾大・消化器内科) |
共同演者 |
海老沼 浩利(慶應義塾大・消化器内科), ちょ 柏松(慶應義塾大・消化器内科), 碓井 真吾(慶應義塾大・消化器内科), 石橋 由佳(慶應義塾大・消化器内科), 若山 遊子(慶應義塾大・消化器内科), 谷木 信仁(慶應義塾大・消化器内科), 金井 隆典(慶應義塾大・消化器内科), 齋藤 英胤(慶應義塾大・消化器内科DELIMITER慶應義塾大・薬学部薬物治療学), 日比 紀文(慶應義塾大・消化器内科) |
抄録 |
【背景】近年C型慢性肝炎に対する抗ウイルス療法の進歩は目覚ましいが,宿主側因子をターゲットとした新規免疫療法は抗ウイルス効果を向上させる新たな治療法となりうる.近年T細胞の疲弊(以下exhaustion)がHCV特異的CD8 T細胞の機能不全の一因として認識され,Programmed cell death-1 (PD-1) /PD-ligand(PD-L)をはじめとする抑制性補助シグナルのexhaustionへの関与が報告されている.【方法】Genotype 1b,高ウイルス量の難治例におけるPeg IFNとリバビリンの併用療法中の末梢血中HCV特異的CD8 T細胞の割合,エフェクター機能,およびin vitroにおける抑制性補助シグナルの機能阻害によるエフェクター機能修飾を抗ウイルス療法開始前,開始後1W, 2W, 4W, 8W~48Wまで経時的に検討した.抗原特異的CD8 T細胞の検出にはclass1テトラマーを用い,エフェクター機能はフローサイトメトリーを用いた細胞内染色によるIFNγ,TNFαの産生能,およびCBAキットを用いたIL-2,IL-4,IL-6,IL-10,TNFα,IFNγ,IL-17Aの産生能により検討した.【結果】治療無効群,再燃群,著効群いずれにおいても,治療経過中のHCV特異的CD8 T細胞の割合,およびエフェクター機能の変化は,軽微であった.一方でウイルス量の低下に伴い,in vitroにおけるaPDL-1抗体によるPD-1/PD-L経路の阻害によりHCV特異的CD8 T細胞のエフェクター機能の回復が認められ,CBAの検討において特にIL-2, TNFα, IFNγの産生が有意に上昇した.興味深いことに再燃群においても治療早期のウイルス量の低下に伴い,aPDL-1抗体によるエフェクター機能の修飾を認める一方で,治療終了時にはウイルス量の増加に伴い,その効果は有意に減弱した.【結論】治療再燃群においても,治療早期の抑制性補助シグナル阻害による介入により,抗ウイルス効果を向上できる可能性が示唆された. |
索引用語 |
HCV特異的CD8T細胞, PD-1 |