セッション情報 ワークショップ10(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器がん検診学会合同)

患者にやさしい大腸内視鏡検査の工夫

タイトル 内W10-3:

苦痛なく安全な大腸内視鏡の挿入と工夫

演者 山村 冬彦(昭和大横浜市北部病院・消化器センター)
共同演者 渡邉 大輔(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 工藤 進英(昭和大横浜市北部病院・消化器センター)
抄録 大腸内視鏡検査では苦痛を最小限にとどめ短時間で挿入することは重要である。当センターでは軸保持短縮法での挿入を基本としている。これは大腸の4つの屈曲点を直線で結び、その線を大腸の軸と仮定し、その軸へ内視鏡を一致させるよう短縮しながら挿入する方法である。Rsを左トルクで越え、腸管を内視鏡画面の右に展開し、送気を最小限にしてS状結腸を極力押さずにたたみこむ。ループを作らずに短縮すれば、約25~30cmでSD junctionに達する。特に屈曲部では手前の腸管を十分に直線化(straight)し、ヒダをめくるようスコープをスライド(slide)し、短縮(shortning)して挿入していくことを我々は3S techniqueと呼んでいる。このテクニックは正面の管腔との適切な距離を保つことが重要であるため先端フードのwavy capを開発して使用している。この先端フード(wavy cap)装着も挿入、観察には有効な手段となる。
また我々は正確な診断の目的でCF-H260AZIをルーチンに使用しているが、挿入困難症例にはPCF-Q260ZIを使用する。高度癒着症例などではさらに受動彎曲と高伝達挿入部の2つの機能が加わったPCF-PQ260Iも有効である。前投薬が必要な場合にはジアゼパム、高度癒着例に対しては塩酸ペチジンを静注して検査を行うこともある。また挿入困難例では機種選択、前投薬投与に加えてCO送気が苦痛軽減に有効である場合がある。
内視鏡の挿入テクニックに習熟することはもちろんであるが苦痛軽減のために機種選択、CO送気なども重要である。
索引用語 大腸内視鏡, 軸保持短縮法