セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

C型肝炎-治療1

タイトル 肝P-44:

多施設共同研究における3剤併用療法のウイルス学的効果と副作用の検討

演者 山極 洋子(国立国際医療研究センター・肝炎・免疫研究センター)
共同演者 正木 尚彦(国立国際医療研究センター・肝炎・免疫研究センター), 西田 奈央(国立国際医療研究センター・肝炎・免疫研究センター), 杉山 真也(国立国際医療研究センター・肝炎・免疫研究センター), 竹田 努(国立国際医療研究センター・肝炎・免疫研究センター), 青木 孝彦(国立国際医療研究センター・肝炎・免疫研究センター), 是永 匡紹(国立国際医療研究センター・肝炎・免疫研究センター), 村田 一素(国立国際医療研究センター・肝炎・免疫研究センター), 今村 雅俊(国立国際医療研究センター・肝炎・免疫研究センター), 溝上 雅史(国立国際医療研究センター・肝炎・免疫研究センター)
抄録 【目的】ペグインターフェロン(Peg-IFN)/リバビリン(RBV)/テラプレビル(TVR)3剤併用療法は,抗ウイルス効果の飛躍的な向上をもたらす一方で,重篤な皮膚障害,高度貧血などの有害事象をきたす.そこで,ウイルス学的効果と治療中止に至る副作用について検討した.【対象】2012年2月から全国13施設において治療12週以上経過した1型高ウイルス量のC型慢性肝炎58例.【結果】(1)臨床背景:男性/女性=39/19例,平均年齢56.5(32-74)歳,初回/再燃/無効=25/19/14例,IL28B TT/nonTT=33/25例,ITPA CC/nonCC=44/14例であった.Peg-IFN,RBVの投与量はガイドラインに準じて決定された.TVR初回投与量は体重に応じて決定された(2250/1500mg=37例(平均体重68.0kg)/21例(同55.5kg),p<0.0001).(2)治療継続性:TVR,Peg-IFNは約30%が初回投与量を維持できたのに対し,RBVは72.4%において減量/休薬が認められた.(3)ウイルス学的効果:RVR75.5%,EVR86.3%であった.TVR初回投与量,IL28BまたはCore70置換とRVR,EVRとの関連はなかった.EVRにおいて,年齢,治療歴,TVR,Peg-IFNおよびRBVの投与達成度と有意な関連が認められた.SVRを評価した13例のうち,著効3例はIL28B TT,再燃6例および無効3例はnonTTであり,IL28Bの治療効果予測性を支持する結果であった.(4)副作用:1剤以上の休薬/中止の理由は,貧血/皮膚障害/腎機能障害/網膜症/倦怠感ほか=8/3/1/2/7例であった.ITPAおよびTVR初回投与量は4週後のHb減少値と関連が認められたが,貧血による投与中止の有無との関連はみられなかった.皮膚障害は42例で認められ(Grade1/2/3=29/9/4例),Grade3の3例において治療が中止となった.皮膚障害はTVR初回投与2250mgに有意に多く認められた.【結語】投与達成度はEVRに関与しており,IL28Bの治療効果予測性が支持された.TVR減量による治療導入等により皮膚障害による中止は少数であったが,貧血による休薬/中止が多かった.
索引用語 C型慢性肝炎, テラプレビル