セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

C型肝炎-治療1

タイトル 肝P-45:

C型慢性肝炎に対するTelaprevir(TVR)/Peginterferon(PEG)/Ribavirin(RBV)3剤併用治療における副作用と治療効果に関する検討

演者 林 秀美(旭川赤十字病院・消化器内科)
共同演者 長谷部 千登美(旭川赤十字病院・消化器内科), 細木 卓明(旭川赤十字病院・消化器内科), 藤井 常志(旭川赤十字病院・消化器内科), 斉藤 義徳(旭川厚生病院・消化器科), 鈴木 康秋(名寄市立総合病院・消化器内科), 前田 重明(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科), 澤田 康司(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科), 阿部 真美(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科), 大竹 孝明(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科), 高後 裕(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科)
抄録 【目的】C型慢性肝炎に対してTVR/PEG/RBV 3剤併用治療が可能となり,高い抗ウイルス効果が期待しうる反面,皮膚症状や貧血・腎障害などの強い有害事象に対する対策も重要になっている.今回我々はC型慢性肝炎の治療成績向上を目的として,3剤併用療法を施行した症例の治療経過と治療成績を検討した.【方法】対象は,3剤併用治療を施行したC型慢性肝炎23例(男性13例・女性10例,年齢中央値52歳)である.各症例の臨床的背景・治療経過と副作用・治療効果との関連につき検討した.【成績】治療歴は初回治療8例・前治療再燃15例であり,IL28B SNPは14例がTTで,9例は未検査であった.TVRの初期投与量は,18例が2250mg,5例が1500mgであった.治療中の抗ウイルス効果は,RVR 95%(21/22),EVR 100%(20/20)で, SVR(24W)を判定しえた21例中17例(81%)がSVRであった.SVRが得られなかった4例は全てTVR中断例で,中止理由は皮膚症状1例,消化器症状3例であった.TVRを12週継続しえた16例は全例SVRであったが,途中中止した7例ではSVRが3例( 43%)にすぎなかった.TVR用量別の治療経過では,TVR1500mgとした5例全例がRVRとなっており,副作用では消化器症状の頻度が低かった.また治療初期のCreピーク値の平均が0.87±1.23と,2250mg開始群の1.30±0.32に比べ有意に低値であり,TVR投与中止を要した症例はなかった.【結論】難治性のC型慢性肝炎に対するTVRを用いた3剤併用治療において,81%のSVRが得られた.SVRが得られない要因としてはTVR中断が最も重要と考えられた.TVR中断を防ぐには副作用対策が重要であり,その手段としてTVR1500mgとする減量投与が副作用を軽減しながら抗ウイルス効果は十分なことから,有効な方法であると考えられた.
索引用語 C型慢性肝炎, テラプレビル