セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

C型肝炎-治療1

タイトル 肝P-46:

当院におけるC型慢性肝炎に対する3剤治療の成績について

演者 田中 裕一(市立岸和田市民病院・消化器内科)
共同演者 藤井 善憲(市立岸和田市民病院・消化器内科), 星 智子(市立岸和田市民病院・消化器内科), 陣 祐祥(市立岸和田市民病院・消化器内科), 奥山 俊介(市立岸和田市民病院・消化器内科), 木村 昇(市立岸和田市民病院・消化器内科), 毛利 陽一(市立岸和田市民病院・消化器内科), 高谷 晴夫(市立岸和田市民病院・消化器内科), 梶村 幸三(市立岸和田市民病院・消化器内科)
抄録 【目的】2011年11月慢性C型肝炎に対しDAAとして初めてテラプレビル(TVR)が保険認可され,Peg-IFNα2b/RBVとの併用により良好な成績が報告されている.しかしながら,国内治験では貧血や皮疹など重篤な副作用も報告されている.今回,当院における3剤併用療法の抗ウイルス効果,安全性について検討した.【対象と方法】2012年1月~2012年12月までにPeg-IFNα2b/RBV/TVR3剤併用療法を導入した39例.内訳は初回治療20例,前治療再燃15例,前治療無効4例.男/女:19/20,年齢は30~76歳(中央値64歳)であった.TVR2250mg開始は20例,1500mg開始19例であった.これら症例の抗ウイルス効果,副作用について検討した.【結果】1. 治療効果:全症例での検討ではRVR率52%(13/25),EVR率97%(33/34),ETR率92%(25/27),SVR4率81%(21/26),SVR12率65%(13/20),SVR24率71%(10/14)であった.またSVR24に関しては前治療別に検討すると初回治療例57%(4/7),前治療再燃例100%(6/6),無効例0%(0/1)であった.2. 副作用:5例は副作用のため3剤治療中断となった(倦怠感2例,嘔気1例,頭痛1例,高CPK血症1例).全症例での副作用の内訳は皮疹59%(23/39),貧血85%(33/39),高尿酸血症69%(27/39)であった.種々の副作用のためにTVR,RBVの減量を行ったが,TVRの投与期間に関しては,TVR 12週投与できたのは54%(21/39),9~11週は23%(9/39),6~8週8%(3/39),1~5週15%(6/39)であった.TVR中止5週以内の6例中5例はそのまま3剤中止となったが,その他の症例は2剤治療へ変更しそのまま加療継続可能であった.当院ではGrade2以上の皮疹に対してはステロイド内服で対応しており,皮疹で中断となった症例は1例も認められなかった.【結論】3剤治療は高率にSVRを得られる非常に有益な治療法と考えらえるが,副作用に対して十分な対応(TVR,RBVの早期の減量,皮疹に対するステロイド内服加療,高尿酸血症に対する対策等)が必要であると考えられた.
索引用語 C型肝炎, テラプレビル