セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

C型肝炎-治療2

タイトル 肝P-49:

C型慢性肝炎に対するTelaprevir/PEG-IFNα2b/Ribavirin併用療法の治療効果に関する検討

演者 卜部 彩子(市立池田病院・消化器内科)
共同演者 今井 康陽(市立池田病院・消化器内科), 澤井 良之(市立池田病院・消化器内科), 福田 和人(市立池田病院・消化器内科), 井倉 技(市立池田病院・消化器内科), 小来田 幸世(市立池田病院・消化器内科), 松本 康史(市立池田病院・消化器内科), 中原 征則(市立池田病院・消化器内科), 厨子 慎一郎(市立池田病院・消化器内科), 黒川 正典(市立池田病院・消化器内科), 入潮 佳子(市立池田病院・臨床研究管理部), 小瀬 嗣子(大阪大大学院・消化器内科学), 平松 直樹(大阪大大学院・消化器内科学), 竹原 徹郎(大阪大大学院・消化器内科学)
抄録 【目的】C型慢性肝炎の新規治療法として,TVR/PEG-IFNα2b/RBV併用療法により高い抗ウイルス効果が期待されている.今回同療法における早期の治療効果について検討を行った.【方法】2009年および2012年3月から11月に3剤併用療法を開始した1型高ウイルス量のC型慢性肝炎患者44例を対象とした.HCVRNA 3.3-7.6 log IU/mL,男性22例,年齢は中央値61歳 (30-71歳)であった.初回治療14例,再燃例21例,無効9例.TVR開始量は2250mgが29例,1500mgが15例であった.IL28Bは42例で測定しTT/TG/GGが32/10/0例であった.ITPAは36例で測定しCC/CAが33/3例であった.【結果】HCV-RNA2W陰性化は14/44(31.8%),RVRは40/44(90.9%)に認めた.IL28B TG症例10例全例,TVR1500mg開始症例15例全例でRVRが得られた.12WSVRは判定可能な24例中20例(90.9%)に得られている.TVRの治療開始12W以前の中止は15例(34.1%),減量・休薬は19例(43.2%)に認め,12W完遂可能であった症例は10例(22.7%)のみであった.減量・休薬・中止理由はHb減少(7),発熱,全身倦怠感(4),消化器症状(2),高ビリルビン血症(1),皮疹(1)であった.TVR投与開始量が40mg/kg以上の症例(n=11)は,40mg/kg未満の症例(n=23)に対しTVR減量・休薬・中止率が高値であり(100% v.s. 69.6%, p=0.037),減量・休薬・中止開始日が早期(中央値day 29 v.s. day 50)である傾向が認められた.【考察・結論】C型慢性肝炎に対する3剤併用療法によって90.9%と高いRVR率が得られ,12W SVR率も90.2%と高率であった.一方でTVR中止率は34.1%と高率であった.TVR減量・休薬・中止の理由としては貧血が最も多く,早期のTVR減量・休薬・中止を避けるためには,体重あたりの投与量を考慮したTVR投与開始量の設定が重要と考えられた.
索引用語 C型肝炎, Telaprevir