共同演者 |
厚川 正則(日本医大千葉北総病院・消化器内科), 島田 紀朋(新松戸中央総合病院・消化器・肝臓科), 坪田 昭人(東京慈恵会医大柏病院・消化器・肝臓内科), 糸川 典夫(日本医大千葉北総病院・消化器内科), 近藤 千紗(日本医大千葉北総病院・消化器内科), 福田 健(日本医大付属病院・消化器内科), 松下 洋子(日本医大付属病院・消化器内科), 楢原 義之(日本医大付属病院・消化器内科), 中塚 雄久(日本医大付属病院・消化器内科), 長田 祐二(博慈会記念総合病院), 岩切 勝彦(日本医大千葉北総病院・消化器内科), 坂本 長逸(日本医大付属病院・消化器内科) |
抄録 |
【目的】1型高ウィルス量のC型慢性肝炎のSOCはTelaprevirを含む3剤併用療法であり良好な治療成績が報告されている. 今回我々は3剤併用療法の治療成績に寄与する因子を様々な角度から解析した.【方法】3剤併用療法を施行された104例につき背景因子, 治療成績, 有害事象について検討した.【結果】対象は男性49例, 女性55例, 年齢は59歳 (28-70), naive例69例, 再燃例18例, 無効例17例, core aa70 (W=67/M=37), IL28B (rs8099917) (TT=65/nonTT=44)であった. RVR率81% (83/102), EVR率98% (98/100), ETR率98% (99/101), SVR8率81% (61/75)であった. RVRに寄与する因子は単変量解析で再燃例, γGTP, AFP, HCV-RNA量, 多変量解析で再燃例, AFP, HCV-RNA量が抽出された. SVR8に寄与する因子は単変量解析で再燃例 (p=0.0002, Odds6.786), γGTP (p=0.0178, Odds1.009), AFP (p=0.0106, Odds1.034), core aa70 (p=0.0436, Odds2.379), core aa91 (p=0.0236, Odds2.665), IL28B (p=0.0002, Odds16.123), RVR (p=0.0003, Odds6.786)であった. Non SVRの特徴として前治療NVR症例かつIL28B minor genotype症例を多く認めた. 有害事象による治療中断率は8.7%であり第3相試験よりも低率であった. 皮疹に対するsteroidの使用を半数近く認めたが, steroidの使用の有無で治療成績に影響は認めなかった (SVR8率;steroid有り88%, 無し92%, p=0.7132).【結語】1型高ウィルス量のC型慢性肝炎に対する3剤併用療法の治療成績は良好でありSVRに寄与する最も重要な因子はIL28B genotypeと思われた. また有害事象の早期の対応により多くの症例で治療完遂が可能と思われる. 一方, 前治療無効例かつIL28B minor genotype症例の成績は不良であり今後の課題である. |