セッション情報 | ポスターセッション(肝臓学会)C型肝炎-治療3 |
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タイトル | 肝P-54:難治性のC型慢性肝炎に対するIFN-β先行後テラプレビル・Peg-IFN・RBV短期投与の検討 |
演者 | 奥新 浩晃(姫路赤十字病院・内科) |
共同演者 | 山本 岳玄(姫路赤十字病院・内科), 岸田 裕志(姫路赤十字病院・内科), 森井 和彦(姫路赤十字病院・内科), 湯浅 志郎(姫路赤十字病院・内科) |
抄録 | 【目的】IFN-β1日2回2週間先行投与によりPeg-IFN・RBV投与を24週間に短縮可能となるが,1週間でHCV-RNAが2.5logIU/mL以上減少しない場合,例え48-72週間投与でも治癒が望めない事を報告した(第48回日本肝臓学会総会,2012).このような難治4例に,さらにテラプレビル(TPV)1日2250mgを併用し再治療したが,皮疹や腎障害により全例中止となった.しかし2例は総投与期間9,10週間でSVRとなったため,その後TPVを1500mgに減じ短期間治療の検討を開始した.今回HCV-RNA陰性化推移について,過去の成績と比較した. 【方法】同意を得てIFN-β・RBV2週先行TPV・Peg-IFN・RBV6-8週間投与をおこなった11例を検討した(3剤群).対照は上記学会にて報告した64例とした(2剤群). 【成績】3剤群と2剤群の背景はそれぞれ,年齢(median,range)65歳(50-73),58歳(24-68)(P=0.01),再治療7/11;64%,23/64;36%であった.HCV-RNA推移は前値(logIU/mL)6.6±0.8,6.3±0.6,1週間減少率-3.3±0.8,-3.5±1.1,2週時陰性率0/11,7/64;11%と,IFN-β終了時まで両群に差は無かった.Peg-IFN切替え後,治療4週時陰性率7/11;64%,17/64;27%(P=0.03),終了時陰性率11/11;100%,46/64;72%(P=0.06),陰性化までの日数26.6±6.1(n=11),55.2±32.1(n=51)(P<0.01)と,TPV併用で陰性化率は改善した.Peg-IFN投与回数(median,range)は,各々6回(5-8),24回(2-72)であった.3剤群の投与終了後1ヶ月陰性率は,8/9;89%,2剤群のSVR率は29/64;45%であった.3剤群の再燃1例はIL28Bマイナーアリルであった. 【結論】従来HCV-RNA減少率が不良で治癒が望めなかった症例でも,TPV併用により治癒した例を経験した.また高齢で標準的投与を完遂できないと思われる症例は,IL28B等が治癒しやすい条件のある場合に,IFN-β先行後TPV・Peg-IFN・RBV短期間投与が有効である可能性が考えられた. |
索引用語 | テラプレビル, 短期投与 |