セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

C型肝炎-治療3

タイトル 肝P-55:

C型慢性肝炎線維化進行例に対するテラプレビル3剤併用療法の治療効果予測

演者 瀬崎 ひとみ(虎の門病院・肝臓センター)
共同演者 鈴木 文孝(虎の門病院・肝臓センター), 福島 泰斗(虎の門病院・肝臓センター), 原 祐(虎の門病院・肝臓センター), 川村 祐介(虎の門病院・肝臓センター), 保坂 哲也(虎の門病院・肝臓センター), 芥田 憲夫(虎の門病院・肝臓センター), 小林 正宏(虎の門病院・肝臓センター), 鈴木 義之(虎の門病院・肝臓センター), 斎藤 聰(虎の門病院・肝臓センター), 荒瀬 康司(虎の門病院・肝臓センター), 池田 健次(虎の門病院・肝臓センター), 熊田 博光(虎の門病院・肝臓センター)
抄録 【目的】C型慢性肝炎に対するテラプレビル(TVR)併用療法は多彩な副作用出現のために,安全に治療可能な症例が選択されなければならない.そこで今回は,線維化進行例に対するTVR3剤併用療法の治療成績および治療効果に関わる因子を検討することを目的とした.【方法】当院においてC型慢性肝炎線維化進行例(血小板数<15万/μLまたは画像所見にてF3以上と判断)に対し,TVRとペグインターフェロン(PEG-IFN)-リバビリン(RBV) 3剤併用療法を開始後12週以上経過している症例91例.治療中のHCV RNA陰性化率および治療終了後12週時点でのSVRを評価し,治療効果に寄与する因子を検討した.【成績】対象は男性51例,女性40例,年齢は28-71歳(中央値61歳)であった.開始時血小板数は6.5-22.6万(中央値12.9万)/μLであった.1)血小板数10万以上(n=79)と10万未満(n=12)に分け,10万未満の群は年齢が若く(中央値56歳),PEG-IFN減量開始例(75%)が多く,開始時PEG-IFN/体重比,12週までのPEG-IFN adherenceが有意に低かった(いずれもP<0.05).しかしながら,血小板10万以上と10万未満の治療中の累積HCV RNA陰性化率はそれぞれ,2週目28.0%,25.0%,4週目84.6%,66.7%,8週目97.4%,100%,12週目98.7%,100%と両群に有意差は認めなかった(Log-Rank=0.2199).2)SVR率は全体で68.6%であり,血小板10万以上で70%,10万未満で60%と有意差は認めなかった.3)SVRに寄与する因子について多変量解析を行ったところ,独立因子は(risk比,P値),IL28B genotype TT (7.25,P=0.01),24週PEG-IFN adherence80%以上(5.7,P=0.026)であった.【結論】線維化進行例は,治療中のHCV RNA陰性化率は高率に保たれていたが,最終治療効果は低下する可能性がある.しかしながら,肝硬変,肝癌へ進展するリスクの高い症例群であり,DAAsを使用した治療法の適応を検討していく必要があると思われる.
索引用語 C型慢性肝炎, テラプレビル