セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

C型肝炎-治療4

タイトル 肝P-60:

早期ウイルス動態からのTelaprevir 3剤併用療法の治療効果予測の検討

演者 加藤 慶三(新松戸中央総合病院・消化器・肝臓科)
共同演者 島田 紀朋(新松戸中央総合病院・消化器・肝臓科), 豊田 秀徳(大垣市民病院・消化器内科), 井出 達也(久留米大・消化器内科), 坪田 昭人(東京慈恵会医大総合医科学研究センター・臨床医学研究所), 高口 浩一(香川県立中央病院・肝臓内科), 佐田 通夫(久留米大・消化器内科), 泉 並木(武蔵野赤十字病院・消化器科), 熊田 卓(大垣市民病院・消化器内科)
抄録 【目的】Telaprevir 3剤併用療法のC型慢性肝炎(CHC)に対する早期ウイルス動態からの治療効果予測.【方法】対象は3剤併用療法でeRVR判定可能のG1bのCHCの143例.治療開始1週後のHCV RNA量(HCV1W)でeRVRやSVR12(SVR)の予測が可能か多施設で検討した.【成績】eRVR率は76%(108/143).ROC解析で最適なcut-off値はHCV1W≦2.3LogIU/mLであり,感度/特異度/PPV/NPV/正診率 81/74/91/57/80%でeRVRとなった.eRVRに寄与する因子は多変量解析でHCV1W≦2.3が抽出された(OR13,p<0.01).T12PR24のSVR率は82%(86/105).SVRに寄与する因子は多変量解析でIL28B TT(OR66,p=0.01),eRVR(OR19,p=0.04),前治療NVR(partial+null responder;PR+NR)(OR0.1,p=0.04)が抽出された.SVR率はnaive/relapser/PR/NRは89%(34/38)/95%(39/41)/67%(6/9)/14%(1/7)でNVRは低率であった(p<0.01).NVRでもPRに比しNRはSVR率が低率であった(p=0.06).TTでeRVR/n-eRVRのSVR率は100%(56/56)/82%(9/11)と差はなく高率で,n-TTは68%(17/25)/13%(1/8)とeRVRで高かった(p=0.01).SVR率はnaiveでeRVR/n-eRVRは90%(28/31)/75%(6/8),relapser 95%(36/38)/100%(3/3),PR 83%(5/6)/33%(1/3),NR 33%(1/3)/0%(0/4)でrelapserに差はなく高率で,relapser以外のn-eRVR例は低かった(p<0.01).n-TTかつrelapser以外ではHCV1W≦2.3/>2.3で100%(15/15)/17%(1/6)でeRVRとなり(p<0.01),SVR率は62%(8/13)/0%(0/6)であったが(p=0.02),n-eRVR例はT12PR48に延長することで0%(0/5)から75%(3/4)とSVR4率が向上した(p<0.05).【考案及び結語】HCV1WでeRVRの予測が可能であり,結果的にSVRの予測になることが示された.特にn-TTかつrelapser以外では有用であり,n-eRVRでも延長投与でSVR率の向上する可能性があり今後の結果が待たれる.
索引用語 C型慢性肝炎, telaprevir