共同演者 |
山口 寛二(京都府立医大・消化器内科), 角田 圭雄(京都府立医大・消化器内科), 岡田 頼久(京都府立医大・消化器内科), 光吉 博則(京都府立医大・消化器内科), 安居 幸一郎(京都府立医大・消化器内科), 南 祐仁(京都府立医大・消化器内科), 岩井 眞樹(京都府立医大・消化器内科), 水野 雅之(済生会吹田病院・消化器肝臓病センター), 島 俊英(済生会吹田病院・消化器肝臓病センター), 岡上 武(済生会吹田病院・消化器肝臓病センター), 楊 孝治(近江八幡市立総合医療センター・消化器内科), 赤松 尚明(近江八幡市立総合医療センター・消化器内科), 石川 博己(近江八幡市立総合医療センター・消化器内科), 伊藤 義人(近江八幡市立総合医療センター・消化器内科) |
抄録 |
【目的】PEG-IFNα-2b/RBV/TVR三剤併用療法の治療経過,副作用及び治療後12週の治療成績(SVR12)について検討した.【方法】2012年6月までにGenotype1型C型慢性肝炎患者に対して三剤併用療法を開始した122例 (男/女63/56人,年齢60 [34-74]歳,HCVRNA 6.5[1.8-7.6] log IU/ml)を対象とし,経時的なHCV RNA量の変化,副作用,SVR12を検討した.【成績】HCVRNA陰性化率は2w, 4w, 6w, 8wで各々23.9%, 77.9%, 90.4%, 100%であった.TVR投与終了後に4例でHCVRNAが陽性となった(いずれもIL28B genotypeはTG).TVRを8w以上投与した症例の治療成績は,治療終了時HCVRNA陰性率が95.9%(94/98例),SVR4が89.5%(77/86例),SVR12が80.8% (59/73例)であった.IL28B genotype TTのSVR12率は91.5%(43/47例)で,nonTTの59.1%(13/22例)より高く(p<0.01),前治療再燃例のSVR12率は96.7%(29/30例)で,無効例の38.5%(5/13例)より高かった(p<0.01).治療開始4週目HCVRNA陰性化群のSVR12率は83.9%(47/56例)でHCVRNA陽性群の58.3%(7/12例)より高い傾向(p=0.06)にあったが,肝組織,薬剤投与量で治療効果に差はなかった.TVR 2,250mg開始群のHb値低下は治療2週目が-1.3±1.3g/dlで,TVR減量開始群の-0.8±1.2g/dlに比し大きかった(P=0.05). Cre値の上昇はTVR 2,250mg開始群(6w 0.24±0.19mg/dl)では減量開始群(6w 0.16±0.14mg/dl)に比し高かった(p<0.01).副作用中止例は35例で(3剤中止例19例,TVRのみ16例)皮疹14例,腎障害3例,貧血8例,食欲不振7例,うつ不眠2例,眼病変1例であった.【考案】三剤併用療法ではHCV RNAの減少は良好であったが,治療経過中に再燃する例も認めた.SVR12に関わる因子はIL28B多型,前治療成績であった.TVRの減量開始は副作用を減ずる可能性があった. |