セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

C型肝炎-治療5

タイトル 肝P-64:

3剤併用療法におけるTelaprevir減量開始例の治療効果と有害事象の検討

演者 石川 博己(近江八幡市立総合医療センター・消化器内科)
共同演者 楊 孝治(近江八幡市立総合医療センター・消化器内科), 茂森 賢太(近江八幡市立総合医療センター・消化器内科), 三宅 隼人(近江八幡市立総合医療センター・消化器内科), 全 圭夏(近江八幡市立総合医療センター・消化器内科), 森沢 剛(近江八幡市立総合医療センター・消化器内科), 赤松 尚明(近江八幡市立総合医療センター・消化器内科)
抄録 【目的】Telaprevir(TVR)を含む三剤併用療法は1b高ウイルス量の難治性C型慢性肝炎に対し高い治療効果が期待されているが,貧血や皮膚症状などの有害事象が従来の治療法と比べて強いとされる.当院ではヘモグロビン(Hb)値が女性で14,男性で13g/dL,体重50kgに満たない症例は,TVRを1500mg/日に減量して治療を開始している.TVR開始量別に治療効果と有害事象について検討する.【対象】2013年3月時点で3剤併用療法開始後12週以上経過した23例(男性8例,女性15例).初回治療8例,前治療Relapse8例,Partial responder3例,Breakthrough4例.治療開始TVR2250mg群10例,1500mg群13例について,治療開始後のウイルス動態と有害事象を比較検討した.前治療として2剤併用療法がおこなわれた症例では,前治療との自覚症状の違いを比較した.【結果】TVR2250mg群と1500mg群の年齢中央値は56.5歳,60.0歳.各群の男女比は7例/3例,1例/12例.HCVRNA陰性化率(2/4/8/12/24週目)は2250mg群(30,80,100,100,100%),1500mg群(23,83,100,100,100%)と両群間に差はなく,Breakthroughは認めなかった.SVR4とSVR12は2250mg群で80%と78%,1500mg群で89%と86%であった.Hb値低下(4/8/12週目)は2250mg群(-2.9,-4.2,-4.5g/dl),1500mg群(-2.4,-4.0,-4.5g/dl)で,早期で2250mg群がやや強かった.尿酸値上昇(4日目)は2250mg群で+4.7,1500mg群で+2.9mg/dlと,2250mg群で大きかったが,eGFR低下(1週目)は2250mg群で-21.5,1500mg群で-22.3ml/min/1.73m2と差はなかった.grade2以上の皮疹は2250mg群5例(50%),1500mg群5例(46%)でみられた.前治療との比較では,消化器症状や倦怠感が1500mg群で軽い傾向があった.【結論】TVR1500mg群で,2250mg群と比較し早期の尿酸値上昇とHb値低下,消化器症状や倦怠感が抑えられる傾向を認めた.また両群で抗ウイルス効果には差を認めず,女性や低体重の症例にはTVR1500mgでも良好な効果が得られると考えられた.
索引用語 C型慢性肝炎, 三剤併用療法