セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

C型肝炎-治療5

タイトル 肝P-66:

当院における3剤併用療法の成績-テラプレビル2250mgと1500mg投与の比較-

演者 広瀬 俊治(東海大・消化器内科)
共同演者 加川 建弘(東海大・消化器内科), 荒瀬 吉孝(東海大・消化器内科), 白石 光一(東海大・消化器内科), 峯 徹哉(東海大・消化器内科)
抄録 【目的】テラプレビル(以下TPV)登場でC型慢性肝炎治療はDAA製剤が中心となり優れた治療効果に対する報告が多い.本研究で3剤併用療法における治療成績,TPV初期投与量による抗ウイルス効果の違いを明らかにする.【方法】2012年1月~2013年2月に3剤併用療法を始めた症例が対象.ウイルス量の変化,治療成績,TPV初期投与量によるウイルス学的反応を解析した.【成績】症例は37例で男性14人(38%),平均年齢53.1±13.2歳.初回治療19例,再燃10例,partial responder4例,Null3例,副作用中止1例.平均体重60.4±11.kg.IL28B SNPメジャーホモ17例(59%),ヘテロ12例(41%).ウイルス量は7.0log以上14例(38%),7.0未満23例(62%),TPV初期投与量2250mgが26例(70%),1500mgが11例(30%).治療終了後12週以上経過した症例が16例.成績は,平均ウイルス量は治療開始前6.7log,治療開始1週後2.0log,2週後1.0,3週後0.4,4週後0.4に低下.4週時のウイルス陰性化70%(21/30),定量感度以下20%(6/30),24週終了時陰性88%.治療終了後12週のウイルス陰性(SVR12)は69%(11/16)で再燃8.3%(1/16),無効13%(2/16),副作用中止13%(2/16).SVR12達成の割合は,男性50%(3/6)で女性80%(8/10),開始時ウイルス量7 log以上でSVR12が50%(2/4),7log未満では75%(9/12)であった.IL28B SNPはメジャーホモで100%,ヘテロで25%であった.TPV初期投与量別では,SVR12の割合は1500mgが75%(3/4)に対し2250mgで67%(8/12)であった.TPV初期投与量完遂例は1500mg開始群では89%(8/9),対して2250mgでは33%(8/24)であった.他剤への影響は,1500mg開始群でPEG-IFN,リバビリン初期投与量完遂例78,56%に対して,2250mg開始群では60%,17%であった.治療2週でウイルス陰性化した2例はいずれも2250mg投与例であった.【結論】3剤併用療法で高い治療効果が確認できた.TPV初期投与量2250mg群でウイルス量の減少は早いがSVR12の達成頻度は1500mg群で高い.2250mg群での薬剤減量の影響が示唆される.
索引用語 HCV, テラプレビル