セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

C型肝炎-治療6

タイトル 肝P-71:

PEG-IFN/RBV/TVR3剤併用療法におけるTVR初期投与量設定の検討

演者 河口 康典(佐賀大・肝疾患医療支援学)
共同演者 水田 敏彦(佐賀大附属病院・肝臓・糖尿病・内分泌内科), 小平 俊一(佐賀大附属病院・肝臓・糖尿病・内分泌内科), 蒲池 紗央里(佐賀大附属病院・肝臓・糖尿病・内分泌内科), 中下 俊哉(佐賀大附属病院・肝臓・糖尿病・内分泌内科), 井手 康史(佐賀大附属病院・肝臓・糖尿病・内分泌内科), 岩根 紳治(佐賀大附属病院・肝臓・糖尿病・内分泌内科), 江口 有一郎(佐賀大・肝疾患医療支援学), 尾崎 岩太(佐賀大附属病院・肝臓・糖尿病・内分泌内科)
抄録 【目的】3剤併用療法は高い治療効果を示すが,貧血による中断例が多く,最近ではTVRの減量投与が行われている.貧血の機序としてTVRの腎障害によるRBV誘起性貧血の増強が示されており,今回,貧血および腎障害の観点からTVR初期投与量について検討した.
【方法】対象は3剤併用療法を導入し12週が経過した37例.RVR,治療中断,貧血に寄与する因子について検討.データは中央値(範囲)で示す.
【成績】11例でTVRを中断〔7(1~11)週〕,その内6例で3剤を中断〔5(1~10)週〕.3剤中断例のうち2例はSVRとなり,1例はIFNβ/RBVに切り替え8週で陰性化後治療継続中.RVR:78.4%(29/37),SVR12:81.3%(13/16).RVRに寄与する因子(多変量解析):IL28Bgenotype TT (OR:8.8, 95%CI:1.3~58.5, p=0.02),3剤中断 (OR:0.11, 95%CI:0.01~0.89, p=0.04).3剤中断に寄与する因子(単変量解析):治療前Hb≧13.5 (OR:0.10, 95%CI:0.01~0.68, p=0.02).治療前Hb別中断率:<13; 40%,13~14; 21%,≧14; 6%.Hbは12週で,eGFRは3日で最低値を示した〔Hb(12W):9.6(7.2~14.8),eGFR(3D):56(22~87)〕.Hb(12W)≧10に寄与する因子(多変量解析):eGFR(3D) (OR:1.18, 95%CI:1.01~1.39, p=0.04).eGFR(3D) cut-off値(ROC解析):60(PPV=80.0, NPV=87.5).eGFR(3D)≧60に寄与する因子(多変量解析):治療前eGFR (OR:1.40, 95%CI:1.07~1.84, p=0.02).治療前eGFR cut-off値(ROC解析):80(PPV=81.5, NPV=100).
【結論】治療効果を損なわないためには,3剤を中断しないことが重要であり,そのためには治療前Hb値が指標となる.Hb<13ではRBV200mg減量に加えTVRの減量が必要と考えられ,Hb<14やeGFR<80でもTVRは減量投与を考慮する必要がある.また,RBVの減量基準であるHb値10を切らないようにするためには,治療開始3日後のeGFRが指標となり,60未満であればTVRの用量調整を行うことが妥当である.
索引用語 テラプレビル, 貧血