セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

C型肝炎-治療7

タイトル 肝P-73:

C型慢性肝炎に対するTelaprevir/PegIFN/RBV療法の成績と宿主因子との関連

演者 長沖 祐子(広島大病院・消化器・代謝内科)
共同演者 今村 道雄(広島大病院・消化器・代謝内科), 川上 由育(広島大病院・消化器・代謝内科), 茶山 一彰(広島大病院・消化器・代謝内科)
抄録 【目的】C型慢性肝炎に対するTelaprevir/PegIFN/RBV療法における抗ウイルス効果と宿主及びウイルス側因子の関連を検討した.【対象と方法】対象は457例.男性240/女性217例,年齢中央値62歳,66歳以上142例(32%).IL28B(rs8099917)TT 264/TG/GG 152/ND/41例, Core70野生型124/変異型187/ND146例,初回治療107/前治療再燃118/前治療無効98/不明134例.開始時Telaprevir量は2,250mg236/1,500mg196例.ITT解析によるRVR及びSVR12,これらに関連する因子を多変量解析にて検討した.【成績】RVRは76%(286/379例),前治療無効(51/85例,60%)は初回治療(76/89例,85%)または前治療再燃(91/106例,86%)に比べ有意に低かった(P<0.001).性別,年齢,IL28B遺伝子型,Core70変異の有無,Telaprevir投与量別でのRVRは同程度で,RVRに寄与する独立因子は初回治療または前治療再燃(P=0.033,HR2.072)であった.SVR12は85%(150/175例),66歳以上(37/49例,76%)は65歳以下(113/130例,87%)(P<0.05),前治療無効(29/44例,66%)は初回治療(44/47例,94%)または前治療再燃(52/55例,95%)(P<0.0001),IL28B TG/GG(32/51例,63%)はTT(90/100例,90%)(P<0.0001),Core70変異型(37/50例,74%)は野生型(65/72例,90%)(P<0.05) に比べ有意に低かった.性別,RVRの有無,Telaprevir投与量別でのSVR12は同程度であった.SVR12に寄与する独立因子はIL28B TT(P=0.002,HR5.499)であった.IL28B及び前治療効果別にRVRとSVR12の関係の検討では,IL28B TTで前治療効果に関わらず高いSVR12が得られた.一方,前治療無効でIL28B TG/GGの症例では,RVRが得られてもSVR12は72%(13/18例)とやや低値であり,さらにRVRが得られなかった7例では全例でSVR12が得られなかった.【結語】IL28B遺伝子型はRVR及びSVR12の独立因子であった.IL28B TT例ではRVRに関わらず高いSVRが期待できるが,前治療無効でIL28B TG/GG例は難治性であり,その内特にRVRが得られない症例では,通常の治療ではSVRを得ることが困難であると思われる.
索引用語 Telaprevir, C型肝炎