セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

C型肝炎-治療7

タイトル 肝P-74:

前治療無効かつIL28Bminor alleleのC型慢性肝炎に対するテラプレビル3剤治療の効果

演者 平石 哲也(川崎市立多摩病院・消化器・肝臓内科)
共同演者 北川 紗里香(川崎市立多摩病院・消化器・肝臓内科), 路川 陽介(川崎市立多摩病院・消化器・肝臓内科), 公文 大輔(川崎市立多摩病院・消化器・肝臓内科), 黄 世揚(川崎市立多摩病院・消化器・肝臓内科), 小林 稔(清川病院・肝臓病研究センター), 池田 裕喜(聖マリアンナ医大・消化器・肝臓内科), 福田 安伸(川崎市立多摩病院・消化器・肝臓内科), 馬場 哲(川崎市立多摩病院・消化器・肝臓内科), 安田 清美(清川病院・肝臓病研究センター), 鈴木 通博(川崎市立多摩病院・消化器・肝臓内科)
抄録 【背景】C型慢性肝炎(CH-C)に対するテラプレビル(Tep),ペグインターフェロン(Peg),リバビリン(Rib)の3剤治療抵抗因子は,Non-responder(NR)例の中でもNull-responder(Null),IL28B minor,Core70変異型が報告され次世代治療への待機も推奨されている.しかし線維化進展例,高齢者においては発癌抑制の観点からも3剤治療の導入が行われている.今回,3剤治療が導入された前治療NRかつIL28B minor例におけるウイルス動態を中心とした治療効果の検討を行った.【対象】2011年12月以降当院および関連施設で3剤治療が導入された44例中12週以上経過した例から前治療NRかつIL28B minorを示した13例を対象とした.治療開始時年齢は63.0±11.8歳,65歳以上は5例,男女比は6:7,前治療はPeg/Rib24~48週が12例,残る1例は9週にてHCV-RNAの低下無く中止した例で,10例(76%)がNull,Core70は11例が変異型であった.初期投与量は,Tep 2250mgが7例,1500mgが6例,Peg+Ribは通常量で開始し添付文書に従い減量を行った.【結果】1)治療効果判定終了は11例であり4例(30%)にSVRを得た.1例はSVR12でPeg/Rib48W延長投与例である.2)HCV陰性化時期は治療開始後4/6/8/10週で5/1/5/1例に認められ12週陽性が1例であった.3)Breakthroughは4例に認めいずれも前治療はNull,3例はCore70変異型であった.2例はTep投与中(11,12週)に認めた.4)治療中止は3例であり12週陽性例,および陰性化後に目眩,精神症状で中止した2例である.【考察および結語】前治療無効,IL28B minor例の3剤治療のSVRは低率である.また30%にBreakthroughを認めた.これは我々の経験した前治療再燃,IB28B minor(SVR3/3例)や前治療無効,IL28B major(SVR3/3例)と比較し明らかに難治であり待機可能であれば次世代治療を考慮すべきと思われた.
索引用語 3剤併用療法, C型慢性肝炎