セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

C型肝炎-治療7

タイトル 肝P-76:

宿主因子,ウイルス因子からみた 2剤,3剤併用療法の検討(静岡県内多施設共同研究)

演者 平野 克治(順天堂大静岡病院・消化器内科)
共同演者 小柳津 竜樹(市立静岡病院・消化器内科), 甲賀 啓介(甲賀病院・消化器内科), 奥谷 敬文(富士宮市立病院・内科), 鮫島 庸一(掛川市立総合病院・消化器内科), 市田 隆文(順天堂大静岡病院・消化器内科)
抄録 【目的】1型高ウイルス量のC型慢性肝炎の標準療法はPEG-IFN/RBVの2剤からTVRを加えた3剤併用療法が主流となってきている.インターフェロンの治療効果予測因子としてIL28B SNP,Core70番アミノ酸変異,ISDRの変異数などが重要であるが,現時点では保険診療として事前に測定することができない.そこで我々は,静岡県内の多施設共同研究として治療前にこれらの因子を測定し治療効果を検討した.【方法】2010年10月より2013年2月までに静岡県内12施設から130例を登録し,そのうち治療評価しえた97例を対象とした.平均年齢58.8歳,66歳以上が33例,男性53例,HCV-RNA量6.6LogIU/mL,前治療歴有45例であった.IL28B TT64例,TG26例,GG3例,Core70変異型32例,ISDR変異数2以上19例に認めた.2剤を40例,3剤を57例にTVRは2250mgを51例,1500mgを6例に投与した.2剤,3剤の背景因子,抗ウイルス効果,治療中止率,宿主因子,ウイルス因子からみたSVR率について比較検討した.【成績】2剤は年齢57.0歳,3剤は年齢60.1歳で3剤で有意に高齢(p=0.046)であった.RVR率は2剤15%(6/40),3剤57.9%(33/57),SVR12を含めたSVR率は,2剤38.9%(14/36)3剤63.0%(29/46),中止率は,2剤17.5%(7/40)3剤24.6%(14/57)で,特に66歳以上の3剤投与が30%(6/20)であった.因子別SVR率は,IL28BのTT 67.9%(36/53)TG+GG 23.1%(6/26),Core70野生型64%(32/50),変異型38.5%(10/26),ISDRの変異数2以上81.0%(17/21),0-1で44.2%(23/52)であった.【結語】2剤に比べ3剤併用療法は,早期の抗ウイルス効果に優れ,SVR率が上昇するが,中止率も高く,特に66歳以上の3剤の中止率が高い傾向にあった.高齢者でも組み合わせによっては2剤療法で治癒することもあり,宿主因子,ウイルス因子の評価が極めて有用と考えられた.
索引用語 C型慢性肝炎, SVR率