セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

C型肝炎-治療7

タイトル 肝P-77:

C型慢性肝炎1型高ウイルス量に対する3剤併用療法と2型高ウイルス量に対する2剤併用療法の比較

演者 濱田 晃市(総合南東北病院・消化器科)
共同演者 斎藤 聡(虎の門病院・肝臓科), 西野 徳之(総合南東北病院・消化器科), 十林 賢児(総合南東北病院・消化器科)
抄録 【はじめに】難治性C型慢性肝炎の1型高ウイルス量に対する3剤併用療法は重篤な副作用の可能性はあるが高い治療効果を示す.一方,2型高ウイルス量には従来のペグインターフェロン(PEG-IFN)かβ-IFNとリバビリン(RVB)の2剤併用療法が行われる.今回,治療成績の向上した1型高ウイルス量に対する3剤療法と2型高ウイルス量への2剤療法の治療成績の比較・検討をした.【対象と方法】対象はG1群:3剤治療を導入し12週以上経過したgenotype 1型かつ高ウイルス量のC型慢性肝炎25例,男女比13:12,以下平均(範囲)は年齢59歳(32-70),体重62kg(45-79),IL28B(rs8099917)TTメジャーホモタイプ92%,前治療はIFN単独無効1例,PEG-IFN+RVB再燃7例,無効5例,初回12例.TPV開始量は2250mg/日8例とHb・年齢・体重により1500mg/日12例.G2群:治療終了後6か月以上経過した2型高ウイルス量32例,男女比20:12,年齢55(31-76),体重67kg(34-86),全例初回治療.G1,G2群ともRVBとIFNは体重別の規定量.【成績】1. 背景因子 G1,G2群で年齢,性別,BMI,治療前Hb,PLT,AST,ALT,RNA量に差は認めない(Mann-Whitney U,χ二乗).2.HCV-RNAの陰性化 G1:全例でRNAは陰性化し,時期は2週55%,4週30%,8週15%.SVR12は100%で再燃なし.G2:陰性化91%で,時期は4週31%,8週41%,12週16%,20週3%,24週3%でSVR75%, 再燃5例.RVRは有意にG1群で高い(85% vs 31%,p=0.001 χ二乗).3.副作用 G1:皮膚症状95%, 高尿酸血症70%, 貧血Hb10g/dl以下85%, 8.5g/dl以下10%,血小板低下5×104/μl以下30%,うつ症状5%.G2:貧血Hb10g/dl以下47%.4.減量・休薬 G1:Hb低下でTPV減量45%,RVB減量80%.G2:Hb低下でRVB減量47%.1例無効中止.貧血での減量はG1で有意に高い(80% vs 47%, p=0.000χ二乗).【結論】1型高ウイルス量に対する3剤療法は副作用が多く時に重篤な副作用を認めるが,治療の工夫で継続すると,従来の2剤療法を行う2型高ウイルス量より高い治療効果となる可能性がある.
索引用語 C型慢性肝炎, テラプレビル