セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

C型肝炎-治療8

タイトル 肝P-78:

C型肝炎に対する3剤併用療法の高齢者における認容性の検討

演者 田北 雅弘(近畿大・消化器内科)
共同演者 萩原 智(近畿大・消化器内科), 工藤 正俊(近畿大・消化器内科)
抄録 【背景】2011年11月より,1型高ウイルス量のC型慢性肝炎に対して,3剤併用療法が主流となった.一方,皮疹や貧血,腎障害等の副作用のために休薬や減量を余儀なくされる症例も多いことが報告されている.また罹患患者の高齢化に伴い,高齢者における3剤併用療法の認容性が検討されるべきである.【対象および方法】2011年11月から3剤併用療法を導入した31例のうち,A群:65歳以下の20例とB群:66歳以上の11例の2群に分け,治療の完遂,12週でのウイルス学的著効(SVR12)につき検討した.【結果】初回治療/再燃は全体で18例/13例,A群で 12例/8例,B群で6例/5例であった.IL28B rs8099917 TT/nonTTは,全体で22例/7例,A群で14例/6例,B群で8例/1例であった.治療完遂率は,全体で84%(26例/31例),A群90%(18例/20例),B群72%(8例/11例)であった.中止の原因は,貧血1例,全身倦怠感1例,神経障害1例,脳梗塞1例,感染性心内膜炎1例.SVR12は,全体で92%(22例/24例),A群で94%(15例/16例),B群で87%(7例/8例)であった.【考察および結語】治療完遂率では,B群はA群より低かった.その原因となる副作用,他疾患の併発はB群がA群よりも高かったが,治療特有の副作用による中止に差はなかった.またSVR12は両群ともに高かった.高齢者では治療完遂率は低いものの,SVR12は非高齢者と同等であった.3剤併用療法は,高齢者にとっても有用な治療法と考えられる.
索引用語 C型肝炎, 3剤併用療法