セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

C型肝炎-治療8

タイトル 肝P-79:

高齢者C型慢性肝炎に対するPeg-IFN α-2b/RBV/TVR併用療法

演者 田中 斉祐(市立奈良病院・消化器肝臓病センター)
共同演者 竹谷 祐栄(市立奈良病院・消化器肝臓病センター), 福本 晃平(市立奈良病院・消化器肝臓病センター), 北村 陽子(市立奈良病院・消化器肝臓病センター), 大野 智之(市立奈良病院・消化器肝臓病センター), 角田 圭雄(京都府立医大・消化器内科), 伊藤 義人(京都府立医大・消化器内科), 吉川 敏一(京都府立医大・消化器内科)
抄録 【目的】1型,高ウイルス量のC型慢性肝炎に対する標準治療としてPeg-IFNα2b/ RBV/ Telaprevir (TVR) 3剤併用療法が認可されたが,高齢者に対する有効性,安全性は明らかでない.TVRの標準投与量は2250mg/dayであるが, 65歳以上の高齢者では1500mg/dayで開始しても治療効果の低下なく, 治療継続が可能と報告されている(原 祐ほか. 肝臓 53:624-6, 2012).当院においても高齢者ではTVRを1500/1000mgで減量投与しており, 治療成績および安全性をA群: 高齢者(65歳以上)とB群: 非高齢者(65歳未満)に分けて検討した.【方法】対象は3剤併用療法を施行した1型, 高ウイルス量のC型慢性肝炎患者30例でA群16例(内6例は70歳以上), B群14例.両群間で抗ウイルス効果, 副作用, 中止率について比較検討した.【結果】TVRの投与開始量はA群で1500/1000mg:12/4例(70歳以上は2/4例),B群で2250/1500mg:8/6例であった.HCV RNA(中央値)は開始後1週でA/B群4.23/4.37,4週でA/B群5.92/6.48 log(IU)/ml低下し,RVRの達成はA群 86.7%,B群 84.6%と両群間で有意差を認めなかった.現段階での治療効果(SVR4/ETR/NVR)はA群5/1/1例,B群7/0/2例である.Hb低下量は4週でA/B群 4.43/4.58 g/dl, Cr値は1週でA/B群0.09/0.12 mg/dl上昇し,皮疹(Grade 1/2)はA群3/6例, B群6/3例で両群間に有意差を認めなかった.3剤中止例はA群4例, B群4例であった.なおA群のうち,70歳以上の6例は4例 (67%) でRVRを達成し, 1500mg群 (n=2) では副作用により1例が中止, 1例が1000mgへの減量を要したが,1000mg群 (n=4) では500mgへ減量した1例を除く3例はウイルス陰性化を維持し,1000mgで治療継続中である.【結語】3剤併用療法において高齢者ではTVRを減量投与開始したが,非高齢者と同等の抗ウイルス効果を得ることができ,治療の継続が可能であった.また70歳以上でもTVR 1000mg/dayで開始することで治療可能となることが示唆された.
索引用語 テラプレビル, 高齢者