セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

C型肝炎-治療8

タイトル 肝P-81:

70歳以上の高齢女性C型慢性肝炎患者に対するテラプレビル3剤併用治療の使用経験

演者 三好 久昭(香川大・消化器・神経内科)
共同演者 坂本 鉄平(香川大・消化器・神経内科), 三村 志麻(香川大・消化器・神経内科), 野村 貴子(香川大・消化器・神経内科), 谷 丈二(香川大・消化器・神経内科), 米山 弘人(香川大・消化器・神経内科), 樋本 尚志(香川大附属病院・総合診療部), 正木 勉(香川大・消化器・神経内科)
抄録 (目的)C型慢性肝炎に対し,テラプレビル(TVR)を含む3剤併用治療が認可され,当院でも2013年3月現在,29例の患者に対して治療を行った.ただ,以前より1型高ウイルス量患者,とりわけ高齢女性患者はSVRが得られにくく,また高齢であるがゆえに副作用の発現,重篤化が危惧され,積極的な治療が敬遠されてきた感も否めない.当院はこれまでに3名の70歳以上高齢女性患者に対してTVR3剤併用治療を行ったので,その治療成績,副作用について検討を行った.(対象)2013年3月までにTVR3剤併用治療を行った70歳以上高齢女性患者3名.初回治療1例,再燃例1例,無効例1例.投与前ウイルス量は6.6(6.1-6.8)logIU/ml,IL28は全例TT,Core70はwild2例,mutant1例,ITPAは全例CCであった.初回TVR投与量150mg2例,100mg1例.IFNは全例1.2ug/kg換算で投与した.(結果)全例TVRは減量することなく完遂することができた.また治療開始4週後には全例ウイルスは陰性化した.副作用として全例に皮膚障害が出現したが,対症療法のみで治療中止には至らなかった.血液検査では3例ともにHb値が治療前値より3-5mg/dlほど低下した.腎障害ではeGFRが1例で約30%の低下を来たした.2013年3月現在,3例とも24週の治療を完了している.1例は投与終了12週後にウイルスが再燃した.残り2例には現時点で再燃はみられていない.(結論)70歳以上の高齢女性のC型慢性肝炎患者に対するテラプレビル3剤併用治療の使用経験について報告した.高齢,副作用を懸念し,治療の適否の判断に迷う場合も多いと思われるが,高齢女性であっても,IFNとTVRの初期投与量を適宜減量調整し,副作用に留意することでTVR3剤併用治療を完遂することができた.
索引用語 テラプレビル, 高齢女性