セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

C型肝炎-治療9

タイトル 肝P-83:

テラプレビルによる3剤併用療法時の消化器症状と胃排泄能との関連

演者 小山田 新(千葉大・消化器内科)
共同演者 新井 誠人(千葉大・消化器内科), 峯村 荘子(千葉大・消化器内科), 齊藤 景子(千葉大・消化器内科), 佐塚 小百合(千葉大・消化器内科), 坪井 優(千葉大・消化器内科), 丸岡 大介(千葉大・消化器内科), 田中 健史(千葉大・消化器内科), 松村 倫明(千葉大・消化器内科), 中川 倫夫(千葉大・消化器内科), 神田 達郎(千葉大・消化器内科), 勝野 達郎(千葉大・消化器内科), 横須賀 收(千葉大・消化器内科)
抄録 【目的】C型慢性肝炎に対するテラプレビルによる3剤併用療法は,従来のペグインターフェロン+リバビリン併用療法と比較して,種々の副作用が強いことが報告されている.特に,吐き気や食欲不振例を多く認める.本研究では,テラプレビルによる3剤併用療法時の消化器症状を評価し,胃排泄能や消化管ペプチドとの関連性の有無を検討した.【対象と方法】2012年9月から2013年3月までに,ペグインターフェロンアルファー2b,リバビリン,テラプレビルの3剤併用療法を施行した慢性C型肝炎症例12例を対象とした.投与開始前,1週間後,2週間後の(1)胃排泄能(ラコール200mlに13C酢酸100mgを混合したものを検査食として使用し,90分後まで一定間隔で呼気を採取し,呼気中の13CO2のTmax値),(2)消化器症状(GSRS)と抑うつ状態(SDS),(3)体重,食事摂取量,(4)消化管ペプチド値(グレリン,デスアシルグレリン,レプチン)を評価項目とした.【結果】3剤併用療法開始前,1週間後,2週間後のTmax値は,それぞれ,51.3±15.7,56.3±21.0,59.3±25.2(分)であり,胃排泄能は遅延していた(p=0.05 , paired t-test).体重は1週間後,2週間後で-2.0±2.0,-2.3±1.6kgと有意な低下を認めた(p<0.05).GSRS(腹痛)は,投与開始前と開始後1週間後で有意に増悪した(1.7±0.7,2.2±1.0).一部の症例は,消化管ペプチドを測定したが,有意な変化は認めなかった.【結論】3剤治療開始後,胃排泄能,は低下し,体重も減少を認めた.体重減少,3剤併用時の消化器症状出現の機序の一つとして,胃排泄能の低下が考えられた.排泄能の改善が,これら症状の軽減につながることが期待される.
索引用語 胃排泄能, テラプレビル