セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

C型肝炎-治療9

タイトル 肝P-84:

C型慢性肝炎に対する3剤併用療法における皮膚障害に関する検討

演者 宮村 達雄(千葉大・消化器内科)
共同演者 神田 達郎(千葉大・消化器内科), 中本 晋吾(千葉大・消化器内科), 呉 霜(千葉大・消化器内科), 姜 霞(千葉大・消化器内科), 新井 誠人(千葉大・消化器内科), 今関 文夫(千葉大総合安全衛生管理機構), 横須賀 收(千葉大・消化器内科)
抄録 【目的】Genotype1型高ウイルス症例のC型慢性肝炎に対し3剤併用療法(TVR, Peg-IFN, RBV)が広く行われている. 皮膚障害をはじめとする副作用も多いことが知られている.当院で経験した3剤併用療法に伴う副作用のうち, 特に皮膚障害に注目し, 皮膚科専門医と連携し出現頻度や重症度などを検討したので報告する.【方法】当院において3剤併用療法を施行した25例に関し, 副作用に関し検討した. 全て皮膚障害に関しては皮膚科医に診察を依頼し重症度の判定, 対処法の指示を受けた. TVR 1500 mg/日投与群および2250 mg/日投与群に注目して解析を行い, 皮膚障害発現に関与する因子についても検討した. 【成績】3剤併用療法を行った25例中, 11例が1500 mg/日投与群であり14例が2250 mg/日投与群であった. 皮膚障害は1500 mg/日投与群で3例, 2250 mg/日投与群で11例みられ有意差を認めた (P=0.030). 皮膚障害の多くはGrade 1, 2であったが, 2例でGrade 3であった. 治療効果(SVR4W)に関して有意差はなかった. また皮膚障害を認めた14例と認めなかった11例を比較すると, 認めた14例中9例が初回治療で, 認めなかった11例中1例が初回治療であり有意差を認めた (P=0.017). また皮膚障害を認めた14例中11例が2250 mg/日投与群で, 認めなかった11例中3例が2250 mg/日群であり有意に差を認めた (P=0.030). 多変量解析でも治療歴の有無 (P=0.025), TVR一日使用量 (P=0.037)はそれぞれ3剤併用療法時の皮膚障害に関与する独立した危険因子であることが判明した.【結論】3剤併用療法時に出現する皮膚障害の予測には, 初回治療例であるということ, TVR一日使用量が有意な独立した危険因子であった. 今後は皮膚障害重篤化に関与する因子を明らかにする必要があると考えられた.
索引用語 3剤併用療法, 皮膚障害