セッション情報 | ポスターセッション(肝臓学会)C型肝炎-治療10 |
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タイトル | 肝P-87:当院におけるC型慢性肝炎に対する3剤併用療法の初期治療効果と副作用の検討 |
演者 | 末次 淳(岐阜大大学院・消化器病態学) |
共同演者 | 宮崎 恒起(岐阜大大学院・消化器病態学), 華井 竜徳(岐阜大大学院・消化器病態学), 今井 健二(岐阜大大学院・消化器病態学), 白木 亮(岐阜大大学院・消化器病態学), 高井 光治(岐阜大大学院・消化器病態学), 大澤 陽介(岐阜大大学院・消化器病態学), 清水 雅仁(岐阜大大学院・消化器病態学), 内木 隆文(岐阜大大学院・消化器病態学), 森脇 久隆(岐阜大大学院・消化器病態学) |
抄録 | 【目的】本邦で2011年11月より3剤併用療法が保険適応となり,Ib型高ウイルス量のC型慢性肝炎に対して,PegIFNa2b+Ribavirin(RBV)+telaprevir(TVR)の3剤併用療法が開始となった.治療効果の向上が報告されている一方,重篤な副作用を発現する報告がある.我々は,3剤併用療法における初期治療効果判定と副作用に関して,当院の症例21例について検討した.【方法】対象は2012年1月から2013年2月までに3剤併用療法を開始した21例(男13例,女8例)で平均年齢63±6.7歳,初回治療例が8例,前治療歴が13例(2剤併用:11例 <再燃4例 無効7例> IFN単独無効2例)であった.現時点で19例が24週の治療を終了し,2例は治療継続中である.【成績】治療開始時のALT値の平均は 68.5±44.3 IU/L であった.1例は治療開始後7週以降に3剤併用療法と因果関係がないと思われる敗血症性ショックのため治療を中止した.治療開始後4週までにウイルス消失(RVR)が14例(66.7%),治療終了時24週で19例中16例(84.2%)がSVRである.2例が無効例で,無効例のIL28B(SNPs)はmajor/minor 1/1例で,core領域aa70 wild2例aa91 mutant2例であった.3剤併用療法治療終了から24週経過した症例は8例でいずれもHCVウイルスは検出していない.副作用では,皮膚症状は10例(47.6%)で認められ,grade 1が8例 grade 2が2例 であり,全例抗ヒスタミン薬を服用し,4例でPSLを使用したが休薬なしでTVRの減量で対応が可能であった.Hb値低下は,10例(53%)であったが,RBVとTVR減量にて対応が可能であった.尿酸値(UA)上昇は1例で,全例においてアロプリノールを予防投与している.【結論】 Ib型高ウイルス量のC型慢性肝炎に対して3剤併用療法は副作用が重篤でリスクが高いため治療回避の意見も散見されるが,適応を慎重にし,厳重な経過観察と臨機応変に薬剤量を減量すればSVRも得られ有効な治療法である. |
索引用語 | HCV, 3剤併用療法 |