セッション情報 |
ポスターセッション(肝臓学会)
C型肝炎-治療10
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タイトル |
肝P-88:3剤併用療法におけるテラプレビル1500mg投与の効果と副作用の検討
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演者 |
尹 聖哲(兵庫県立加古川医療センター・消化器内科) |
共同演者 |
廣畑 成也(兵庫県立加古川医療センター・消化器内科), 大内 佐智子(兵庫県立加古川医療センター・消化器内科), 八幡 晋輔(兵庫県立加古川医療センター・消化器内科), 白川 裕(兵庫県立加古川医療センター・消化器内科), さか本 喜雄(兵庫県立加古川医療センター・消化器内科), 堀田 和亜(兵庫県立加古川医療センター・消化器内科) |
抄録 |
【目的】テラプレビル(TVR)3剤併用療法は強力な抗ウィルス効果を示すが,貧血,腎障害,皮膚障害のため薬剤投与量の調節が重要とされている.今回TVR減量開始における治療効果と貧血・腎障害について検討した.【対象と方法】当科で3剤併用療法を導入し投与終了した25例をTVR2250mg開始の13例(2250群)と1500mg開始の12例(1500群)に分けて背景,HCV-RNA,Hb,eGFRの推移,服薬率について比較検討した.【成績】<患者背景>両群で肝線維化,IL28Bに差はなかったが,1500群で年齢がやや高い傾向で,有意に女性が多く,低体重,Hb低値,eGFR低値,前治療無効例が多かった(いずれもP<0.05).このため1500群ではRBV減量開始例が多かった(P=0.0127).<効果>HCV-RNA陰性化率(2250群/1500群)は2週77/33%,4週85/92%,12週100/100%,24週100/83%,終了後4週100/75%で,4週以降では差がなかった.<服薬率>投与開始時の体重当たりの用量は,PEGでは差がなかったが,TVR(mg/kg)は36.1/29.1,RBV(mg/kg)は11.2/9.8と1500群で低かった(P=0.0002,P=0.0309).服薬率についてもPEGでは差はなかったが,TVRが104/89%,RBVが66/46%といずれも1500群で低かった(P=0.0424,P=0.0010).<貧血・腎障害>両群で12週までのHb減少量,治療中のHb最低値,RBVを400mg以上減量または休薬した例数にも差はなかった.また1週までのeGFR低下量も両群で差はなかったが,治療中のeGFR最低値は1500群で低い傾向であった(54.6/47.1,P=0.0898). TVRを減量または休薬した例数は両群で7/3例と差はなかった.【結論】TVR1500mgは2250mgと比べて強い副作用が予想される症例が多く,RBVも減量開始されていた.このためHb,eGFRの最低値に差はなく,むしろTVRの減量・休薬例は少なかった.2250mgと比べて服薬率が有意に低かったが治療効果に差はなかった.高齢,女性,低体重,Hb低値,腎機能低下例ではTVR1500mg投与が有用と思われる. |
索引用語 |
C型慢性肝炎, テラプレビル減量投与 |